一年前の4月から、10年ぶりに料理教室を再開しました。
ふりかえれば、紆余曲折の長い道のりでたどり着いた還暦過ぎの再開でした。
自宅での料理教室を最初に始めたのは、20年以上前の5月。息子が小学校に入学した翌月でした。息子の幼稚園のママ友たちから、お菓子作りや家族が喜ぶ料理を教えてほしいと頼まれたのがきっかけとなり、「子育てママのための料理教室」と名付けてのスタートでした。
その息子も今や一児の父、本人が子育てパパとなりました!
料理教室は、夫の二度の海外赴任の間と、最近の数年間は中止。最後の海外赴任地はフランスであったにもかかわらず、帰国後に料理教室を再開するとはおもっていませんでした。
そして帰国後一年に満たずしてまさかの夫の死。その後、周囲の方々のご配慮でしばらく仕事に出ました。しかし、2年も経たずに退職。今では隣に住む母の身の回りのサポートが私の日常の一部です。
母のサポートをし、多くの時間を自宅で過ごす中でも、自分自身の世界と生き甲斐を持てたことは、とても幸せであると、一年を終えた今つくづくと感じています。そして、わずかながらでも、収入があるありがたさを噛みしめています。
実は、遺族年金に頼る未亡人となったいま、収入が必要な切実な理由が、私にはあります。
それは、軽度知的障害者である娘のために、お金を残しておく必要があるからです。
具体的には、娘の成年後見人である私が、家庭裁判所が指定してきた「監督人」(司法書士)に、毎年払い続ける経費を確保しておかなくてはならないからです。
今日は詳細説明は控えますが、毎年の経費が、当初の情報と想定以上の金額だったのです。それを私の死後も娘が生きている限り、払い続けなくてはならないのです。
わずかな収入でも、その分だけ夫が残してくれた貯金を切り崩す速度を遅らせることができます。
これから母のサポートは減ることはなく増える一方でしょう。
それと反比例して、自分の体力は、老化とともに減少していくことでしょう。
その中で、生き甲斐と収入のために、健康に気を付け、なるべく長く料理教室を続けていければと願っています。
******
なんだか深刻な響きになってしまいましたね。
でも、少なくとも今は、悲観的ではなく、しあわせなんです。
好きな料理を、まがりなりにも生業にできていること、教室に集まってくださる素敵な方々とお会いしてたくさんのたのしい刺激を受けられることが、とてもうれしく幸せなんです。
この幸せな時間がいつまでも続きますように!💛