台風19号が大惨事をもたらす前日の金曜日に料理教室の一回目を開催した。みなさんには、早めの解散にしましょうとお伝えしながら。
二日後の13日は中止。
昨日の土曜日、今月最後の教室が終わった。
昨日は、いつもとどこか違った。
気持ちも記憶も、台風の前と後とに分断されてしまったように感じた。
作業の歯車が滑らかに回らず、ぎくしゃくしていた。
テーブル花も、一週間前のように、色鮮やかな花を飾る気にはなれなかった。
まして、ハリケーンキャンドル立てを使っては。
嵐の当日に据えたろうそくをそのままにしておきたかった。
夕方、教室の解散間際に、みなさんからの要望でろうそくを灯した。
天井灯を消すと、炎がガラスに映り、柔らかい光があふれ出た。
皆さんが帰ったあともしばらく見入った。
心を癒す炎、霊を弔う炎、災害時の光源となる炎・・・
今日は、花よりもろうそくの方が、しっくりと似合っていた。