2015年の春、一般公開期間に京都御所を訪れた。
荘厳な御所の空間に圧倒された。
その数年前まで住んでいたフランスで、国王たちが次々と作った城と造形的な庭園を数多く見てきていた。
フランスの城と京都御所。国の君主が住む「城/宮殿」として対局とも言える姿だ。
日本の御所はひけをとらないと思った。
大正天皇は、京都御所でご即位された。その時の様子を撮った写真や使われた品々が展示されていたので、一つ一つ興味深く見入った。
四年後の今日、天皇陛下は、この京都御所からはるばる運ばれ、皇居の宮殿松の間に据えられた高御座より御即位を宣言された。
京都御所で、一般客でも拝観が許され、歴史が刻まれた高御座が、そこにあった。
そして、萬歳旛をはじめ、京都で見た旛のと同じのぼりが雨のなか、はためいていた。(こちらは新調されたものとのこと)
即位の礼正殿の儀で陛下が、即位のお言葉を述べられたとき、降りしきっていた雨がやみ、一瞬、青空がのぞき、陽の光が宮殿中庭に射し込んだ。
「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら」.....
幸先のよい令和の時代の幕開けを象徴していると、私のみならず多くの国民が思ったと思う。