五年前に京都御所を見学した時に、何気なく撮っていた写真を、昨日以来丁寧に見ていて、気づくこと、学ぶことが多い。
昨日のブログに掲載した「萬歳」の旛と共に、日と月の柄、八咫烏(ヤタガラス)と金の鵄(トビ「霊鵄」とも呼ばれるらしい)の柄が対になっている旛の写真があった。
昨日の宮殿の中庭には、日月の旛はあったが、ヤタガラスとトビはなく、金の菊の御紋が施された旛が並んでいた。
この即位の礼のときだけに用いられる旛について、NHKのアナウンサーが次のように解説していた。
「かつてはヤタガラスののぼり(旛)も立てられたが、宗教的意味合いがあるため、戦後は用いられなくなった」と。なるほどと思った。
[上: 大正天皇のご即位のときの図]
朝の宮中三殿での賢所大前の儀は、皇室の伝統に即した宮中祭祀。
純白の装束を纏われた両陛下のお姿と賢所の佇まいは神聖な空気に溢れ厳粛で、画面を通して拝見する私たちも、息を潜め背筋を正す思いだった。
午後の即位の礼正殿の儀は、国事行為。
『古事記』『日本書紀』に由来する鳥たちが登場する場ではなかったのだ。
平成天皇の御退位から新天皇のご即位まで、更にこれからまだ続く大嘗祭をはじめとする数々のお代がわりの行事を通じて、多くを学んでいる。
いま一度立ち止まり、日本人であること、日本国の起源、天皇制についてなどを振り返る有難い機会であると感じている。
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余談だが、ヤタガラスは日本サッカー協会のシンボルマークになっている。
天武天皇が熊野に通って蹴鞠をよくされたことにちなんでいるらしい。サッカー日本代表のユニホームにヤタガラスがついていることは問題ないということのようだ。
雑学ばかりだが、興味深い。