ランチ会では、普段の講習ではなかなか実演できない「主婦にもできる、もてなし術」を紹介している(つもりだ)。
そもそも、ランチ会を年間スケジュールの中に組み込んだのは、海外から持ち帰ったミニココットやヴェリーヌ(ガラスの器)などを使って、ちょっとおしゃれな演出をお見せしたかったのがはじまりだ。
通常の教室の時に「(この料理は)ココットがないと作れないので、人数分ご用意ください」と言うのは、主宰する私の主義に反している。
‘’はじめに器ありき”ではなく、‘’はじめに料理ありき”なのだ。
それも、見た目の美しさではなく、あくまでも味で勝負。
更に、レストランにはない、家庭的なぬくもりを感じる料理や演出が一番だと私は思っている。気軽に、楽しく、でもちょっとだけおしゃれに、という料理と空間を目指したいと思っている。
でもランチ会は、海外でTPOにあわせて実践してきた、少し改まった感じのおもてなしに近い。
「主婦でも、メニューの組み立てを工夫し、段取り良く準備すれば、これくらいはできる」ことを知り、おしゃれな空間の心地よさを感じていただけたらうれしい。
なによりも大切なのは、招く側の女主人が、台所にこもることなく、一緒に食卓に座って食事と会話を楽しむ余裕を持つことだと思う。
そのためにも、手作り料理で頑張りすぎる必要はないと思う。上手に加工品、半加工品も織り混ぜてもいいと思う。味、盛り付け、切り方等々、そこにちょっと自分流の手を加えれば better。‘’頭の体操”の部分だ。
最後にひとこと書き添えるとすれば:
持ち寄りで、ワイワイとカジュアルに「ギャザリング」するのもよいが、時には、ちょっとおしゃれなおもてなしに挑戦してみるのも、思いがけない発見と楽しさがみつかり、いいものだ。
[夫の母からの銀器には花を飾ってみた]