60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

ツリーの思い出

クリスマスの思い出は数えきれないほどある。最近では2013年と2014年が特に思い出深い。
2013年はヨーロッパから帰国した年であり、夫と迎えることができた最後のクリスマス。そして、6年ぶりのクリスマスツリーは、息子と息子のお嫁さんが飾ってくれた。(まだ婚約前だった)
街中のクリスマスオーナメントの売り場で目を輝かせ「こんなので飾ってみたいな~」と言う彼女に「うちに来て飾ればいいよ」と誘った息子。
ということで「二人で飾りたい」との依頼が12月始めに舞い込んだ。
もちろんOK!
唯一つけた条件は、クリスマスのあとの週末、必ず来て全て屋根裏に片付けること。
そうそう、もう一点。せっかくなので、スワロフスキーの星たちを一斉に初登場させること。

数だけやたらとあるオーナメントに驚く彼女。
彼女のチョイスでバランスよく、華やかで素敵なツリーに仕上げてくれた。
ツリーの前で若いカップルのツーショットも私がパチリ。
クリスマスの週末には改めて来てくれて、夫と娘とみんなで素敵なクリスマス・ディナーを楽しんだ。
全員揃ったのは最初で最後。思い出深い。

次の2014年。
6月に夫が亡くなった。
無宗教ゆえ、喪中の気持ちを込めてツリーを飾ってもいいのではないか、夫も咎めないだろう、むしろしんみりとこの季節を過ごすよりも喜んでくれるだろうと思って飾ることにした。息子たちがまた飾りに来てくれた。
「白、ガラス(透明)、銀、紫のオーナメントだけで飾ってほしい」
と頼んだ。(※紫が「私の色」なので、偶然何個か持っていた)

仕上がったツリーは、ガラスと銀のオーナメントが普段以上に光を放ち、上品でいてしめやかな雰囲気が漂っていた。

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ツリーを眺めては、一つ一つのオーナメントを買った頃の夫や家族の思い出を振り返った。
このツリーがどれほど私の悲しい心を慰めてくれたことだろう。
多分、二度と飾ることのない「(はてしなく)色のない」ツリー。そして色のないクリスマスのインテリア。
忘れられないクリスマスとなった。
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