お正月には羽根つき。
東京育ちであっても、私の子どもの頃の風物詩だった。しかし、最近では、羽根つきの羽根が羽子板に当たるあのカーン、カーンという音を聞かなくなった。寂しいことだ。いや、こんな風に書くのは単純に私が老人になった証なのかもしれない。
何年も前に、素敵なお箸置きをいただき、それ以来、お正月には使わせていただいている。
作家は、ポーセリンペインティング作家であり、空間コーディネーターの佐藤由美子さん。
繊細な筆遣いと色づかい、透明感のある描写が素晴らしい。
西洋の技術で、ヨーロピアンな図柄はもちろんのこと、和のモチーフも彼女の世界観で描き出すセンスと腕には感嘆するばかり。
最近は、ペインティングに留まらず、有田焼の骨董や作家さんとコラボしたテーブルと空間を、様々な場所や場面で演出して活躍している才能溢れる方だ。
そんな彼女の羽子板で、まい年新年を迎えられるのは光栄なことだ。
そしてまた、羽根つきを始めとするお正月の風物詩を思い出すきっかけとなり、しつらえる度に心が温まる。
今年も、母と娘と、息子たち家族との新年の席と、昨日からの料理教室で使わせていただいている。
今月の料理教室は、年間通じて数少ない和食系のお献立。昨日の一回目のクラスの方々もお箸置きに目を留めてくださり、とても喜ばれた。