一週間ほど前に親友が郷里・愛媛の4Lサイズのすばらしい文旦を一箱送ってくれた。
この贈り物の恩恵に預かる私を含む友人三人は、毎年うれしく心待ちにする一方、一気に忙しくなる。
甘味、酸味、香り、引き締まった口当たり、と四拍子揃った文旦。
身だけで大満足なのだが、皮でピール煮やママレードを作ると、すばらしくおいしいことを知っているからだ。
砂糖煮したピールにチョコレート・コーティングすると、さらに極上スイーツに変身する。
料理教室が一段落した昨晩、ようやく貯めてあった文旦の皮のママレード作りに取りかかった。
同時に、このところ手が回っていなかった残り一つの晩白柚も剥いて煮ることにした。
皮の下の白いワタを取り除いて、薄く刻んで水にさらす。
鍋にたっぷりの水と共に入れて火にかけ、沸騰したら茹でこぼす。
ひと鍋目は、文旦の爽やかな香りが部屋いっぱいに広がった。
ふた鍋目は、晩白柚の個性豊かな香りが、鼻をぬけてゆく。
このあと水に浸して一晩あくぬきをする。
晩白柚が柑橘類の王様ならば、文旦はお后だ。
ママレードになるのを待つ王様とお妃が並ぶのは、滅多にあることではない。
実際に並んでみると、王様は透き通る色白さを纏い、お妃は華やかな山吹の色彩を放っている。
砂糖と共に煮上げると、それぞれの持ち味が、更にはっきりと現れてくるだろう。楽しみだ。
物部村の柚子の砂糖煮、橙の甘煮、一回目の晩白柚のママレードをすでに堪能しているこの春、フィナーレは、王様とお后様そろっての香りの共演🎶
なんと贅沢な春の楽しみ方だろう!✴️