60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

リスクヘッジにも限界がある

一週間前の深夜に母が転倒した。立ちくらみが原因だった。
検査の結果、痛みやすり傷はあったものの、右脇腹の打撲だけですんだ。
骨折せず、本当によかった。本人も、家族も、主治医とナースたちもホッと胸を撫でおろした。

隣に住む娘として、母の転倒に備えて、対策を練っていたつもりだったのに、様々な盲点があったことが今回わかった。
転んだまま起き上がれなかった母は、助けを呼ぶ手段を失ってしまったのが最大の問題だった。

セコムの緊急ボタンを4つも契約し、低い位置に設置していたのに、いつの間にか、手の届かない所に置かれていた。元気なときには、邪魔なものにしか映らなかったのだろう。
私を呼べる携帯電話も、手が届くところにはなかった。

想定外の行動で悩まされた娘を育てた経験から、人一倍、リスクヘッジに対する意識は高いと思っていた。
「リスクヘッジ」2020/2/5
https://bistrotkenwood.hatenablog.com/entry/2020/02/05/153843

円背で、足腰が弱くなった母のためにも、名実ともに「転ばぬ先の杖」を色々と用意してきたつもりだった。

知的障害者や高齢者を突然襲うリスクに備えようにも 限界があり、難しいと改めて思った。

ただ、今回の「事件」で、母本人も、ペンダント型の非常ベルがいかに「命の綱/救いの手」であるかを痛感したようだ。
もはや自力では立ち上がれない体の衰えも突きつけられた。

母は、事件後、自主的にペンダント型ベルを身に付けるようになっている。
「災い転じて福と成す」、ありがたい。
ただ、
「のど元過ぎれば熱さ忘れる」とならないことを切に願う。

本人の意識が高まっている現在を好機と捉え、安全安心な生活環境を構築し直さねばと思っている。

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[スイスでトレッキングを始めた際に出会ったLeki社のストック(2本一組の別モデルだが)。チタン製で軽く、長さ調節も自在。
足元が少しおぼつかなくなり始めていた母に一本仕様のものを送ったら「婆くさくなくて(笑) 機能的」と喜んでくれ、以来、愛用している。握り部分も人間工学的に優れていると大満足のようす]