60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

啓蟄とGroundhog Day

昨日3月5日は、二十四節気の啓蟄(ケイチツ)だった。
日付が変わってから気づいた。
年によっては3月6日になることもあるという。
「冬ごもりの虫たちが這いでる」という意味の日だ。
春分の日までの期間も啓蟄と呼ぶそうだ。

昨日のブログでは、スイス・ベルンの春の訪れについて書いたが、冬の寒さが厳しい国では、人々は、生命の息吹きを感じる春を待ちこがれる。いずこにも、似たような日があるわけだ。

アメリカにも、Groundhog Dayという日があることを思い出した。
1960年代のアメリカ東海岸で小学校1-3年生を過ごしたので、まだ英語もあまりわからない頃から「今日はGroundhog Dayだ!」と先生や友だちが口々に言うのを聞き、何の日だろう?と思ったものだ。クリスマスやひな祭のようにお祝いをする様子もなかったから、なおさら不思議だった。
「土の中から出てくるのよ」…(モグラのことかな?)
「今年は影が見えるかな?」…(影?? 見えたらどうなるんだろう?)

その後すっかり忘れていたし、大人になってからは、なんとなく啓蟄と重ね合わせて解釈していた。
日本では虫が這い出し、アメリカではgroundhog(アメリカ特有のマーモットらしい)が春の気配を感じて地面から出てくるのだろう、と。
ネットの恩恵で、60歳を超えた今回はじめて、半世紀以上前の記憶の詳細がわかった。

グラウンドホッグを使った春の訪れを予想する天気占いの行事だという。2月2日に行うらしい。

≫≫≫[ウィキペディアより]
「グラウンドホッグ(ウッドチャック)は2月2日に冬眠から覚めるが、外に出て自分の影を見ると、驚いて巣穴に戻ってしまう」とされており、春の到来時期は、晴天(影を見た)場合は「冬はあと6週間は続くだろう」、曇・悪天候(影が見えない)場合は「春は間近に迫っている」と占われる。≪≪≪

ドイツからの移民たちが、故郷のしきたりを新大陸に持ち込んだのではないかというのが、有力な起源説らしい。
今日では、まじめな占いというよりも、アミューズメント性が高くなっているようだが、恒例行事として行われるという。
サッカーワールドカップの際に、日本のある水族館で、タコに勝敗を占わせたことが話題になったことがあるが、似たようなノリなのかもしれない。
占う内容がもう少し生活に密着しているものの、大人が真顔で行う楽しい行事のようだ。

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[夏のスイス・サースフェーの標高2500m界隈で見つけたマーモット。グラウンドホッグはきっとこんな感じなのだろう。
とはいえ、このマーモットは、標高が高い山でしか出会っていない。
故郷ドイツの農民たちが占いに使ったのは、平野部に生息するハリネズミだったらしい(ことを今回知った)。
そういえば、かつてスイスのジュネーブ郊外に住んでいた時、庭にハリネズミが現れたことがあったっけ…]