今日3月8日は、ミモザの日だ。
もう少し公的にいえば、国連も公認するところの「国際女性デー」。
イタリアでは、「フェスタ・デラ・ドンナ」と呼び、男性が女性に日頃の感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈る習慣があるそうだ。恋人・妻・母親に限らず誰にでも贈るという。
その習慣がイタリア以外にも広まり、今では3月8日に世界各地の花屋の店さきでミモザを見かけるようになった。
3月8日がミモザの日であることを知ったのはここ10年ほどのことだ。しかし、それよりもずっと前からミモザの花が大好きだった。
子どもころの一番好きな色が黄色だったからなのか、大人になって初めてふわふわのミモザの花を見たとき以来、虜になった。
アメリカ(東海岸)、スイス、フランス(ほかに韓国、タイ)に住んでみて「ミモザの日」を実感するのはヨーロッパだ。スイスよりもフランス。やはり、イタリアと同じ、ラテン言語圏だからだろう。アメリカでは、アングロサクソンないしユダヤ系の人が多く住む地域に住んだせいか、ミモザへの特別なこだわりを感じたことはなかった。イタリア系移民が多いニューヨーク市では違ったかもしれないがわからない。
ベルンに住んでいた時、親しくしていたフランス人のクリスティーヌさんが3月8日にお昼に招待してくださった。各界で活躍するスイス人女性の方々が招待されていて、アジア人は私一人だった。食事の冒頭で「今日は、国際女性の日だから、みなさんをお呼びしたの」と夫人は言われた。彼女自身キャリアウーマンで、普段は本国で仕事をし、ご主人の仕事にアテンドするときだけ車でベルンに来ていた。(愛猫とともに😹!)
テーブル花は、ミモザではなかった。ゲルマン民族中心で、小さな町のベルンでは、花の命が極めて短いミモザは手に入らなかったのだろう。でも、ミモザを飾りたかった気持ちは伝わってきた。
ところ変わってパリに移り住んだ2月末に、今度は私がフランスの夫人方をお昼にお招きしたことがある。3月8日以前であったが、パリの中を探して、テーブルにミモザの花をアレンジした。
食堂のミモザの花を見た瞬間の夫人たちの反応は想定外だった。皆さん、女学生のように歓声をあげ、「ミモザだ!」「ミモザだ!」と大喜びしている。着席してからも、手を差し伸べたりしながらミモザの花をいとおしそうに眺めている。
日本人が、開花宣言の前に桜の生け花を見た時のうれしさと感動に似ているかもしれない。
夫人たちはきっと、温暖な地中海沿岸に、青い空と蒼い海を背景に咲き乱れる鮮やかなミモザの花たちを瞼に浮かべていたのだろう。私たちが桜咲く故郷に思いを馳せるように。
そしてその日はミモザの花が、テーブルを囲むお互いの距離を縮めてくれたように感じた。
まさに春をつげるフェスタ・デラ・ドンナ、女性の祝祭だ。
女性の輝く社会! シンボルをミモザにしたらいいかも♡
[娘が今週、送ってくれた。
先週末、都内の車窓から撮ってくれたという]