欧米各国から日々届く報道を、信じられない思いで見ている。目に見えない敵との「戦争(war, guerre)である」と、大西洋を挟んだアメリカとフランスの大統領がいうのも無理もない。
テロ行為や大自然災害による社会の機能停止とは違った前代未聞の脅威をはらんでいる。
公衆衛生が行き届いたスイスで感染者数と死者数が、目をみはる勢いで増えている。数字的には、隣国のイタリアやフランスよりも少ないが、人口がわずか800万人ほどの国なのである。
日本への入国制限の国リストにも入ってしまった。更に、昨日の読売新聞朝刊に、
「ロイター通信はスイスで、現状では医療システムが、10日間で崩壊するとの警告が出されていると報じた」
とあり、驚愕した。
総人口が、東京23区の人口よりも少なく、満員の通勤電車など無縁の、清潔なスイスでなぜこのように多数の感染者が出ているのだろうか?
欧米社会の中では、時間厳守、規律遵守、質実剛健、きれい好き、など日本と相通ずる美徳が多い国民であるだけに、日瑞のコロナウィルスの感染者の増加率の差はどこからくるのだろうか?と考えてしまう。
ジュネーブ、ソウル、首都ワシントン、ベルン、パリに住んだ経験を持つ者として、日々の推移は他人事ではない。
芸術や食の都のパリの美術館やレストランの閉鎖にも言葉を失うが、人口比で「小さい国」であるスイスの現状が気がかりだ。
感染増加のスピードが落ちることを祈っている。
[「外出を控えてください(英訳: Stay home.)」
コロナウィルス感染予防対策として、スイス連邦政府が公示している、スイス国旗を模したロゴ。
スイスの公用語は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、(スイス独自の)ロマンシュ語。その四か国語で記されている]