60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

母の十八番のパエリア

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母の日に、母の十八番のパエリアを作って祝った。海外経験が豊富で、料理上手で、社交的だった母は、お客を招くと、十中八、九、パエリアを作ってもてなした。1960年代にニューヨークに住んでいた時に、スペイン人の出張料理人のオバサンから伝授してもらったレシピ。使う食材の種類が半端ではない。ラム、豚、鶏、スペイン産サラミ、ムール、エビ、あさり、そして中央には、ロブスターがドーンと一匹!たっぷりのサフランとた~っぷりのオリーブ油をつかって作るから、おいしくないわけがない。とにかく超豪華なパエリアなのだ。娘の私は、”門前の小僧”的に習得してよく作ったが、母のパエリアの豪華さとおいしさには全くかなわない。私には、母の豪快な性格が欠けている。

東京の自宅にお客を招く時は、パエリアの食材を求めて築地へ買い出しに行くのだが、娘の私が荷物持ちとして駆り出され、帰宅後は食材の下ごしらえを手伝わされた。まるでおせち料理作りのような意気込みだった、笑、💦

もう一つ、母がこだわった食材があった。米国産の「UncleBen」という商標の長粒種の加工米だ。細長く、独特の香りがあり、西洋人好みのパラパラのお米だ。日本では、過去も現在も、輸入できないコメのようだ。母は伝手を頼って買ってきてもらっていた。今回、台所の片づけをしていたら、かなり前にお土産にいただいたお米が残っているのをみつけた。前日に少量焚いてみて味と品質をチェック。母と二人だったら問題ない。

ということで、4-6人前サイズのパエリア鍋でたっぷり作ることにした。夫も私が作るパエリアが好きだったので、二人のときもひと鍋作った。若かったころは鍋半分、た~っぷりたいらげてしまったものだ。残りは冷凍しておけば、うれしいセカンドラウンドとなった。

今回の食材は、築地はおろか(そもそも豊洲移転してしまったし)、近隣駅の食材市場ですらなく、近くのスーパーで調達。週一回ルールを昨日だけ破って、早朝、買い揃えた。母の日のブーケの中から、母が好きなカラーの花が入っているのを選んで、テーブル花としてアレンジし直してプレゼント。そしてロゼの辛口スパークリング。

私の慎ましやかな? バージョンは、(アメリカに住んでいた時以外は)ロブスターではなく、有頭エビ。2月の料理教室で取り寄せたおいしい「天使のエビ」の残りがあるからGood!刺身用の新鮮なイカと大きめのラムチョップも買えた。母のために「運」が後押ししてくれた。

おかげで、一般スーパー直送(笑)の割には、かなりおいしくできた。

「サフランの香りが弱いわね」「わたしはもっとオリーブ油をいれてつくったわ」――相変わらず、手きびしい。しかし今日的には、いくら脂が多い方が美味しくなると言っても、油の中にお米が浸っているようには作れない。最近、糖尿病の数値が悪いわけだし。

なにはともあれ、母にも私にも久しぶりのパエリア。そして、たぶん最後となる「UncleBen」のパエリア。野菜中心の軽めの前菜をクリアした後、たっぷりとお皿によそったところ、ペロリと完食。更にお替りして食べていた。

「冷たい辛口のスパークリングとあうわね~♡」なんだかんだ言いながら、喜んでくれてよかった。

母88歳、コロナによる緊急事態宣言の最中、またまた「いまでしょ!」を実践した母の日ディナーとなった。

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ちなみに、今年度は、久しぶりにパエリアを料理教室でお教えする予定だ。日本のお米を使うが、和食党の息子などは、日本米バージョンの方が好きだったくらいで、別の食感とおいしさがある。

元気が出ること間違いなしの料理! (^_^)v みなさんと集ってパエリアをたのしく囲める日が巡ってくることを願っている。