一昨日来、記憶に強く残る二つの衝撃的な事件についてのニュースが取り上げられている。スクールバスを待つ子どもたちを狙った殺傷事件と、京都アニメーションの放火事件。前者が1年前、後者が10ヵ月前と聞いて「そんなに最近の事件だったのだ」と驚いている。新型コロナウィルスによる世界的なパンデミックが勃発してから、時間の感覚がマヒしてしまっているようだ。遺族の方々には忘れることができない悲痛で陰惨な事件。私たちもまた、忘れてはならない。
その一方、いま現在に目を向けた時、このところ非常に気がかりで、心が痛んでいることがある。ここ数日、東京の感染者数が再び10人を超えているが、その前は、一けた台で推移し、緊急事態宣言の解除へとつながった。しかし、コロナによる東京都の死者の数は、連日のように10に近い数で推移しているのだ。
宣言が解除となり、世の中がすこしずつ前に向かって進んでいる中で、コロナウィルスに打ち勝つことができずに命を落とされている方々がこれほどいる事実。大切な身内を亡くされたご家族の悲しみと無念な思いは、解除後であるだけに、一層深いものとなっているだろうと想像されるだけに、非常に心が痛む。いまもなお懸命に治療に当たってくださっている医療関係者たちの失意と無念さも、さぞやと思う。まだまだ生死の瀬戸際で戦っている患者と医療関係者がいることもまた、忘れてはならないのだと、しみじみと思う。
どちらの悲しみも、もうこれ以上増えない世の中になってほしい。