春先に玄関前の大鉢にユーカリを二種類植えた。長年、鉢植えを楽しんできたが、ユーカリは初めてだ。ラベンダーとジャスミン、ニューフェースの小花などと合わせてみた。いままでになく地味だが、風になびくナチュラルな寄せ植えになった。
先週、シナリーという自然派化粧品と関連商品を扱う友人から、同社の芳香剤の説明文をもらった。免疫力を高め、抗菌作用がある「1.8-シネオール」という精油成分について初めて知った。主にユーカリから抽出されるようだが、その他にも何種類かのハーブに含まれているらしい。
また、ラベンダーについて興味深い記述があった。「中世にヨーロッパでペストが大流行した時に、ラベンダー畑で働いていた農夫たちにはほとんど感染しなかったと言われている」
偶然にも、今年選んで植えたのは、古くから人々の間で、病から身を守る効能があると信じられてきた草花だったのだ。ちなみにジャスミンは、かつて住んだタイ国では、信心深い人々が日々祈りを捧げる際にお供えする花だった。
私の植え込みは、香りとは程遠いちっぽけなものだ。しかし、急に厄除けのお守りのように見えてきた。民間信仰にすぎないのかもしれないが、大好きなラベンダーが、パンデミックから守ってくれる薬草であると、人々に信じられてきたことも、うれしい発見だ。