6月7日にコロナ感染による全国の死者数がゼロだったと発表された。3/7以来、3ヶ月ぶりのことだった。ほんとうによかったと思った。しかしその喜びも束の間、その後はふたたびコロナウィルスにより命を落とされる方が相次いでいる。少しずつ社会生活が再スタートしていっている中で、この悲しく辛い時間との対峙を迫られるご本人とご遺族のお気持ちを思うと非常に心が痛む。
コロナによって命を奪われるとき、ご本人と家族が会って、触れて、別れを告げることすら許されないという、信じられないほど辛い現実を、私たちは知ってしまったからなおさらだ。肉体の苦しみも計り知れないものと想像されるが、この別れの時間の厳禁化が、新型コロナウィルスの最も残酷な側面ではないかと私は感じる。末期がんの夫を看取ったものとして、最期の時間がどれほど大切なものであるかを実感しているだけに、コロナにより最愛のご家族を亡くされた方々が本当にお気の毒でならない。昨日もまた、5名もの方のご家族が、この深い深い悲しみと苦しみを経験されているのだ。そして、遺されたご家族は、これからずっと無念な思いを抱えつづけて生きていかなくてはならないのだ。
死者数がゼロになる日がもっともっと続くようになるまで、私たちは油断することなく、感染予防に努めなくてはならない。コロナの悲しみを抱えて生きなくてはならない人を増やさないために。