活きたワタリガニを初めてさばいた。
タイ料理には、カニを使う名物料理がいくつかある。カレー味炒め、土鍋蒸し、甲羅揚げなど。7月の教室では、カニと春雨の土鍋蒸しをお教えする。地元の市場の大きな魚屋に試作用の蟹を注文し、土曜日に取りに行った。店員に注文品を伝えると、彼は奥の水槽に向かい、おもむろに手を入れた。サザエ、ヒラメ、あわび等の間から2匹のワタリガニを引きあげた。普段はいけす内の商品とは無縁なので、ちょっと感動した。カニたちは、手足が太いゴムで止めてあった。
夕方になり、いよいよ作業開始。さばき方をネットで予習してからスタート。まず、出羽包丁で腹側の急所を突き、おとなしくさせる必要があるという。冷蔵庫から出すとブクブクと泡を吹いている。ちゃんと生きている。カニの大きなハサミが真ん中でしっかり交差していたので、留めていた輪ゴムを外した。するとおとなしそうに見えたカニは、まな板の上で足をバタバタとさせ始めた。冷蔵庫の中では、冬眠状態だったのが、室温に出て一気に元気になったようだ。急所を突くために仰向けにしていたのに、カニは手足を使って反転し、まな板の外に出てしまった!立派なハサミで身構えているように見えた。想定外の展開だ。タイに住んでいた頃、市場のカニに指を挟まれてけがをした奥さんの話が脳裏をよぎった 。大急ぎで軍手やトングを用意してこちらも応戦体制。四苦八苦しながら、なんとか無事に鎮めることができた。
次は慣れない手つきで解体作業。最後はハサミのついた頑丈な腕を切り分け、硬い殻のトゲ落としと、食べやすいような切り込み入れ。腕回りの棘が半端でなく多くて痛い。ポケモンかウルトラマンなどに登場する手ごわい敵のモデルはこのカニか?と思う。ちなみに、このカニの正式名は「ガザミ」だそうだ。名前からして怖そうではないか。
一匹目をさばき終えて、ヤレヤレ、フーッ。しかし二匹目は、ゴムを外さずに、工夫しながら包丁を入れることに成功。学習効果あり!
額に汗でさばいたワタリガ二だが、その甲斐あって、身はふっくらと甘く、エスニックなスパイス類とともに、その旨みをしっかり吸いこんだ春雨が何ともおいしい。
60を過ぎても、新たな経験をし、学ぶことがたくさんあるものだ。料理教室3回で何匹ものガザミをさばいたら、かなりスキルアップできそうだ。当日の朝が勝負、がんばろう 💪👊✨!
※ちなみに、教室の皆さんには、私が過去に注文していたように「食べる当日に、魚屋でさばいてもらったのを仕入れてね。カニでなくても、有頭エビで作っても、とてもおいしいからぜひお試しを」とお話しする予定だ。
[↑インターネットからの画像を引用させていただく。カニとの格闘で、他のことを考えるゆとりなどなく、撮るのをすっかり忘れてしまった、💦]