60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

Cutting board

今年のクリスマスの料理教室では、久々にCutting boardが活躍した。
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35年前に、タイのバンコクに住んでいたときに見つけて買ったものだ。安く木製品が作れる国だったので、欧米への輸出向きに作っていたもののようだ。
Cutting boardは、欧米では、ロースト料理には欠かせないアイテムだ。家族や知人大勢が集まる日にはローストが手間いらずの定番だった。焼き上がってから肉を休ませても、それなりに肉汁が溢れ出ることが多い。だから、肉汁を受け止める溝が作られているのだ。ターキーやラムレッグなど、骨付き肉ローストをさばくために必要なスペースがあり、木製なので、包丁あたりもよい。
夏もバーベキューの時に登場する。

我が家でも、使った回数は欧米人より遥かに劣るが、今回、久しぶりに眺めて、艶が出てきたな~と気づいた。買った当時は、すっきりと美しかったが、使用後に洗うとカサカサになってしまった。今では、傷だらけである一方、幾多の肉の脂で自然と磨きあげられているのだ。我が家の歴史が年輪のように刻まれていると感じた。

日本人の祖先は農耕民族であったのに対して、欧米人は狩猟民族だったのだと、この大きなcutting boardを使うたびに思いを新たにする。
この板は、日本だったら、ちらし寿司を作るための大きな寿司桶が、かつては一家に一台あったのと同じ感覚のように思う。食文化の歴史を象徴するアイテムなのだ。

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[香り豊かなherb&spiceでマリネした豚の肩ロースをオーブンに放り込んで焼くだけなのに、しっとり美味しく焼き上がる、手間いらずのローストは、とても評判よかった]