成人の日の今日は祝日だが、私が通うカルチャーセンターの実用書道の講座は今日から始まった。
新年の第一回目は、毎年、先生が受講生の希望する字や文言を、その場で葉書に揮毫してくださる。
私は過去に「感謝」「安寧」「和」…等をお願いした。毎回、私が書いていった字とは似て非なる見事な作品に仕上がる。
今年は例年以上に言葉が決まらなかった。一昨日まで逡巡していた。いつもと全く違う年始めのため、抱負も言葉も浮かんでこない。
行き着いたのは、表題通り「転禍為福」。
世界的なパンデミックと、個人的には母の転倒や手術などが続いた昨年からの脱却を願う気持ちからだ。東京オリンピックも控えている。
崩し字の調べ方も不十分なまま、葉書に書いて持参。すると、講座で一番親しくしている方も全く同じ言葉を書いて来られて、お互いにびっくり!
先生も驚かれた。しかし、それぞれが書いていった字の風合いを汲み上げて、二つの素晴らしい作品にしてくださった。同じ言葉が、全く違う作品に仕上がっていく様に目を見張り、改めて先生の実力にひれ伏す思いだった。
出席者全員の言葉に先生の魂が吹き込まれて、今年も見事な作品群となった。
眺めていると、善き年が明け、前途には希望の光がうっすらと射しているように思えてきた。
[左上が、私のために書いてくださった作品]