60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

知的好奇心の果てに…

今年90歳になる母は、いまだに好奇心旺盛だ。毎日、新聞を細かくチェックし、読み込む。それも、政治・国際面、そして芸術・文芸・料理関連記事が中心だ。関心がある記事を赤いペンで囲み、重要な部分に赤線を引く。そして切り抜く。
読書も好きなので、書評欄で目に留まった本は注文して読んでいる。月刊「文藝春秋」は母の愛読雑誌だ。
テレビをみていても、興味があることは、チラシの裏紙を利用して作ったメモ用紙に書き留めている。紙切れにメモした料理のレシピがそこかしこから出てきた。

この衰えることない知識欲と読書量は娘からみても、敬服に値する。しかし、良いこと尽くしでもない。少なくとも近くに暮らす者にとっては。
切り抜きがどのように処理されるか、詳細はわからない。しかし、連載などは数日分ずつクリップでまとめられ、ダイレクトメールが入ってくる大小様々な封筒に、切り抜きの寸法に合わせて納められることが多い。中が見える透明でパリッとした袋を好んで使う。こうしてまとめた切り抜きは、手が届くところに積み上げられたり、幾つかまとめて市販のクリアファイルや、使用済みの茶封筒で作ったファイルに収まる。それらが溜まると、最後にはデパートの紙袋に入れられて足元を始め、そこかしこに置かれる。
さて、この度、母がホームに正式に入居したので、母が一人で住んでいた隣の兄の家を、一時帰国中の兄嫁とともに片付け始めた。(兄夫婦もさすがにそろそろ海外から戻って来る筈なので。)
すると、切り抜きその他の「雑紙」が出てくるわ、出てくるわ。もちろん不要品やゴミも山ほどある。ただ、この切り抜き収集癖はビョーキに近い。脈絡も秩序もなく袋に入っているのに、「また必要になるから」と言われ、長いこと捨てられずにいた。それが、昨年2月に家のなかで転んだのをきっかけに、母が生活していた一階の床や棚に溢れる雑紙をかなり片付けることができた。
そして今回。以前生活していた二階の部屋の片付けに着手した。そこには、時間が止まったままの紙類とあらゆる品が溢れている。去年、あんなに片付けた筈なのに、今回もまた、はずしたクリップが⤵️こんなに貯まった!
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とはいえ、母が関心を持って読み込んだ新聞の記事や各種パンフレットなどがこの何倍もあるのだ。
たいしたものだ。
ーーちなみに、これらのクリップは昨年来利用している慈善団体に、状態のよいクリアファイルや母が買い貯めていた各種文具類とともに今週末に発送する。新たな場で、誰かの役に立ってほしいものだ。