60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

ハッピーサプライズ

明日から三度目の緊急事態宣言が発出されることになってしまった。GWの人々の移動を抑制するためとはいえ、仕事で大きなダメージを受ける人や企業、連休の楽しみを奪われた家族がどんなにか多いことだろうか。

私自身も昨日、5月の教室中止の連絡を発信した。夫が残してくれた自宅で開催しているので、取りあえず生活は続けられることに、亡き夫に感謝しなくてはならないとつくづくと思う。

5月の料理の試作や準備をすべて中止し、また今日からStay home& 節約生活に努めねばと思いながら、今朝も近くの公園にウォーキングに出かけた。坂を下り、木々の間から池が見え始めた直後に、想定外の「色」が青葉から透けて見えた。

鯉のぼりだった。

池の中央を横断するように渡された綱にかけられた色とりどりの鯉のぼり。昨日はなかったし、ウォーキングを始めた昨年もなかった。

かつて子どもたちが小さかった頃、池にかかる鯉のぼりは、端午の節句の季節の風物詩だった。しかし近年では、使わなくなった鯉のぼりを地域に寄贈する家族も減り、廃止となってしまっているものとばかり思っていた。

私が子供だった頃に(=50年以上前)地元の大地主さんの庭先に空高く泳いでいた大きい年代物の鯉のぼりが、私の子どもたちの時代には水面の上に吊るされ、色あせた胴体を風になびかせていた。そして今朝見た鯉のぼりは…、色鮮やかで美しかった!一体誰が誂えてくれたのだろう? ハッピー・サプライズだった。

池に到着した時は風がなく、力なく静止していた。

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f:id:bistrotkenwood:20210424233115j:plainしかし、5分と経たないうちに風が吹いてきて泳ぎ出した。この時期、何列も連なって泳ぐ名所が日本全国にたくさんあると思うが、たった一列であってもけなげに泳ぐ鯉たちは、気持ちが沈みがちな私たちにエールを送ってくれているように感じられた。

ーーどうか、人が(見に)集まってくることを理由に、緊急事態宣言が発出する明日から取り下げられてしまいませんように!