60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

一鉢の蘭

2ヶ月以上にわたって、私の心を癒してくれているものがある。
一鉢の蘭だ。
コロナが世に広がる前の2019年の暮れに、ある方からいただいたものだ。丁寧に手入れをしないから当たり前なのだが、胡蝶蘭を二度咲きさせるのは苦手だ。しかし、この鉢はなぜか再び花をつけてくれた。
ブログにも書いたが、2/21に最初の一輪が咲いた。嬉しさといとおしさで見入ったのを思い出す。
https://bistrotkenwood.hatenablog.com/entry/2021/02/21/234135
約二週間後、ブラインドを透かして部屋の中まで冬の終わりの光が射し込み、アートな空間を作り上げてくれた。
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花たちはいつしか満開になり、
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そして窓辺を彩って、4月の料理教室に訪れた方々を迎えてくれた。
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窓から射し込む光はいつしか浅くなり、置く場所も、周りのしつらえも変化していったが、花たちは、変わらずに優しい色合いで私にほほえみ続けてくれている。大好きなパステルオレンジに、中心部だけか南国らしい濃厚なピンク。

そしてなんといっても、今年の花が私を楽しませてくれているのはそのシルエットだ。
人は、手入れされていない伸び放題の姿と呼ぶだろうが、その自然さが私は好きだ。
20代に蘭の本場のタイに住んだからかもしれないが、あの頃に見た野生の蘭たちと南国の空気が東京の窓辺に甦える。自然のフォルムは何にもかえがたく美しい。

ゴールデンウィーク中はあまりにも忙しく、花たちに朝の挨拶をするのを忘れてしまった。
ステイ・ホームが延長され、静かな日常に戻った今、花たちは連休前と全く変わらずそこにいてくれた。
そのけなげな花たちに今朝も食卓から視線を投げかけ、喉の渇き具合をたずね、ずっとそのままでいてね、と語りかける。
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