60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

老いのお手本④

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「老いのお手本」として、昨年のブログで度々紹介した書道教室のAさん(男性)。96歳になった今年もコロナ自粛期間中にまたまた素晴らしい作品を仕上げられた。

昨年は、「千字文」を楷・行・草で3000字書きあげ、その無欲の偉業に感動した先生が作品を美しく装丁して全国千字文大会に応募したところ、特選賞を受賞されたことは既に紹介した。

老いのお手本③ 千字文

https://bistrotkenwood.hatenablog.com/entry/2020/07/07/171435

㊗️95歳のAさん、千字文大会で特選!

https://bistrotkenwood.hatenablog.com/entry/2020/10/12/180304

先週の月曜日、「ようやくワクチン接種してもらいました」と言いながら久々に登場されたAさんが携えてきたのは、過去1年に習った四文字熟語がかかれた条幅だった。昨年のコロナ感染拡大直前の2月にも、同様の条幅を仕上げて持ってこられた。第二作となる今回の作品について、「コロナで休んでしまったので、今回は(熟語の)数が減ってしまいました」と残念そう。その言葉にも頭が下がる。

実は、千字文と四文字熟語のほかにも、Aさんは、自由課題を仕上げられている。

昨年の夏には、6/23の沖縄終戦の日の式典の際に少女が読んだ詩を書写した手紙を、先生をはじめ、教室のわたしのような生徒にまでくださった(写真は、先生宛に届いたものを先生が美しく表装)。

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さらに、今年の1-3月の緊急事態宣言中には、アメリカのバイデン大統領の就任演説を、「内容にすごく感動したから」と書いて持ってこられた。新聞記事の全文を、半紙に一字一句間違えずに書き写されているのだ!

どの作品も、96歳とは思えない集中力・精神力・知力の賜物だ。どこまでもスゴい方なのだ。

この2年ほどの間に、耳は以前にも増して遠くなり、足取りは細かなすり足になられ、身体の老いは進んでしまわれた。それでも、教室までバスで通ってこられ、書かれる字はどんどん力強く、上達していかれている。

 どうか、転倒されぬよう、いつまでもお元気に通われ、私たちの「希望」の星として輝きつづけていただけたらと心から願っている。