いつもいくスーパーのすぐ手前に回転寿司の大手チェーン店がある。スーパーに行く回数だけその前を通っているのに、入り口が2階にあることもあって、中を覗いたことすらなかった。
「いまごろ?!」と呆れられそうだが、昨日初めて足を踏み入れた。
息子夫婦が少し前に、初めてJ君を彼らの近くのお店に連れて行ったらとても喜んだので、みんなで行こうと前日になって連絡してきた。午前中の彼らの用事のあと、13:30に現地で待ち合わせ。
予定よりも早く到着した息子からテーブル番号を知らせてきた。お店に入ってキョロキョロするバァバ。ファミレスよりも各席がしっかり仕切られていて、人の姿がほとんど見えない。昭和のオバアサンが平成後期の世界に突如飛び込んだ図式。見るものすべて目新しかった。
その息子が中学生の頃、家族で幾度か行ったのは、駅前の路地にあるクラシックな回転寿司店。カウンターに鈴なりに座るタイプだ。20年ふた昔。それから驚くほど進化を遂げていてバァバは感心しきり。お皿5枚毎にガチャポンチャンスがあったり、充実した(?)デザートありと、とてもチャイルド・フレンドリー。そのうえパパの懐にもやさしい。なるほど週末の夕方には子連れのマイカーが列をなして空車待ちしているわけだ。そしてバァバ目線で見ると、回転寿司の景色とはこうも違って見えるものか!
「日本出発前の最後のお寿司だな」という息子のセリフには、母としては複雑なきぶんだが、3歳の我が子のうれしそう顔は、パパママにとって、味に勝るものがあるというものだ。
満腹になったあと、「神社に最後にお参りに行こう」と息子。息子の小・中・大の受験を「大吉」で護ってくれた神社だ。隣のスーパーで夕食のリクエストに必要な食材を少し買い足してから、スーパーのすぐ先の神社の大鳥居をくぐる。猛暑の午後、大祭の年には流鏑馬も行われる長い参道には人っ子一人いなく、鎮守の森に蝉しぐれだけが響きわたる。私たち家族がひろい神社を独り占めし、大人三人それぞれに、いつもより長い時間手を合わせ、しずかに祈りをささげた。
息子は1週間後の8/1に留学先へと出発する。貴重な時間をバァバも共有させてもらえてとても感慨深い一日になった。