60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

井の頭動物園

日曜日に井の頭動物園に行った。Hさん(嫁)、孫のJ君、娘と4人。31歳で留学中のJ君のパパが幼なかった頃、なんども家族で通った動物園。息子をバギーに乗せて小一時間かけて徒歩で往復したものだ。1/4世紀以上経っての再訪となった。

土曜日に娘が泊りに来ていたのだが、別件でHさんにラインしたのがきっかけで急に私たちも合流することになった。ただし、コロナの今、整理券は完全予約制。誘われたのが前日午後だったので、一時はあきらめかけたが、運よく予約できた。

いつも動物園とよんでしまうが、正式には井の頭自然文化園と言う。桜の名所として有名な池がある公園側に水生物園という分園があり、歩道橋で吉祥寺通りを越えた反対側に本園が広がる。

幼い息子と動物好きの娘と度々でかけたのは、徒歩圏にあることもだが、トータルに幼児向きだったからだ。木々が生い茂る自然豊かな広い園内に、一般の公園よりも種類が豊富な遊具がある広場(といっても小学生には物足りない遊具ばかりだ)、身近な動物たち、更に幼ない子にぴったりサイズの昭和レトロな遊園地がある。息子のこども時代には、(戦後まもなくタイからやってきた)象の花子がいたので、”象もいる動物園”だった(全国紙でも取り上げられたが2016年に天寿を全うした)。

さて、世代交代した今、J君もまた、家から数駅の距離なので、3歳児にしてリピーターだ。彼にとっては動物園というよりも、好きなだけ遊べる楽しい公園だ。いろんな遊具があり、車や自転車などを心配せずに木々の下を走り回れ、(コロナの前は)ふれあいコーナーでモルモットを抱っこでき、おなかが空いたら木の下のピクニックテーブルでおにぎりやおやつが食べられる。そして、ティーカップやガタンゴトンと走る「新幹線」にも乗れる。動物たちは二の次、三の次、笑。

何十年ぶりかの動物園は、息子の頃とほとんど変わっていなかった。ここまで昔の姿を留める場所があることに、新鮮さを感じたほどだ。都営なのでとことん地味なまま。ディズニーランドとは、内容的にも料金的にも対極の場所だ。しかし、息子夫婦もだが、平成生まれの、AI・スマホ世代の親たちが、予約がいっぱいになるほど訪れて、おさな子たちと楽しんでいる。素朴な遊びと自然とのふれあいの良さを、我が子を通じて若い彼らが感じてくれていることにバァバは安堵し、うれしくなった。

ところで、娘と私の目に留まった「かつてとの違い」は、やっぱり花子がいなくなったこと。そして遊園地の小さな観覧車がなくなったこと。観覧車に関しては、娘曰く「私が子どもだった頃、すでにすごくオンボロだったじゃない?無理もないよ」。

そして、いつも花子が長い鼻を振っていたミニ運動場は、高度成長期のコンクリートの色のまま残されていた。象という大きな生き物がいなくなったスペースはただ広く、寂寥感だけが漂う。昭和・平成を生きてきたバァバの人生と重ねあわせるようにぼーっと眺め入った。

「この歯でどうやってたべるの?」孫の質問で我にかえる。すぐ脇に展示されていた、まるで漬物石のような花子の歯を指さしていた。動物の歯とは思えない大きさと形。ホンモノの花子に会わせてあげたかったな~。

「Jくん、もう花子はいないけど、Jくんのおかげて、バァバはまたここに来れたわ。ありがとね💕」

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[「リスの小径」では、たくさんのニホンリス🐿️が 走り回っていてなんともキュート。ケージの向こうに見えるのが幼児御用達の遊園地] 

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