60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

家族のかたち

それぞれの家族に、それぞれの家族のかたちがあると思う。
日曜日に孫のJ君を預かってお留守番したことを書いた。それは、娘とHさん(お嫁さん)が区内で大人女子デートをしたからだ。
発端は、娘がHさんとJ君を、彼女が暮らすサテライト型グループホームの部屋に誘ったことに始まる。娘の善意はありがたいが、雑然と物があふれる部屋は幼児には危険すぎて、現実的ではない企画。結局、わたしがプランニングに介在し、J君はバァバとお留守番、娘はHさんとおでかけということに落着した。
しかし、それでもなお母の私は気掛かりだった。息子が留学に出てしまってから、子育てと自分のキャリアを全て一人でこなすHさんに、貴重な週末の一日を、障害者の娘と付き合うために使ってもらうのは申し訳ないと思ったからだ。しかし、心配は杞憂に終わった。
大人女子デートとなったので、娘は張り切ってHさんを案内する半日プランを練った。娘が住む グループホームの隣駅はユーズド品や服などのユニークな小さいお店が多いので、まずはその界隈を案内。女子ウケするキュートなお店でお昼、そのあと娘の小さな部屋でお茶とクッキー。そののち夕方に二人で我が家に到着。
到着するや否や、「たのしかった~」と言いながら、ふたりは高揚した口調でお店散策や「大人の”お子さまランチ”」の話などを次々と語ってくれた。
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娘はHさんのリクエストだったかわいい手芸品を扱う店を事前に調べておいて案内したという。そこはHさんの心のツボにはまったらしい。Hさんはその店でゲットした外国ものの繊細なガラスのボタンたちを見せてくれた。一点一点、美しい。なかでも神秘的な顔立ちと光を放つ猫の顔のボタンは秀逸だった。自分でアレンジしてブローチに仕立てられる特殊なピンについても説明してくれた。J君も神妙な顔をしてのぞき込む。HさんはちゃんとJ君にもお土産のボタン。精巧にできたブロンズ色の小さな小さな機関車型とプロペラ飛行機型のボタン2セット。イギリスっぽくて渋いキュートさ。
そのとき、いつもとちがうすてきな時間が流れていることに気づいた。主役はHさん、そして娘。J君は、たとえドングリを披露しても脇役だったのだ。
「きょうのお店でのHさんは、J君が生まれる前のHさんみたいだったよ。J君といるとHさん、お母さんの顔やしゃべり方になるから」と娘。それが、娘にはうれしかったみたいだし、Hさんもまた、コロナの影響もあって、しばし忘れていた開放感となったのだろう。
そして母の私は、娘を障害者扱いせず、近しい身内として受け入れて接してくれるHさんの偏見のない心と優しさに心熱くなり、嬉しかった。
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ところで、夕方からの第二部は、9月15日生まれの娘のバースデー祝い。女子会ランチのあとなので、さっぱりとした和食のメニューを前日のうちに9割かた仕上げておいた。飯台ですし飯を混ぜるところだけは、J君とコラボの”おしごと”。具材をつまみ食いしながら、うちわであおいだり、しゃもじを握ったり、楽しそうに手伝ってくれた。
家族一人一人にとって、いつもと違う特別な一日になった。
Yちゃん(娘)、Hさん、Jくん、みんなみんなありがとう♡
お父さんはこの世にもういないし、息子はしばしの留学生活。J君以外に男性陣がいないけれど、それを逆手にとっての女子の企画、すごく幸せでうれしかったわ!