60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

思い出昼食会

木曜日に久々に”おもてなし”の昼食会を開いた。といってもメインゲストは母方の伯母。伯母の長男の嫁・Kさんが車で一緒に来てくださった。日頃から行き来がある姪のHさん、そして私の4人ランチ。Hさんが今回の集まりの立案者。伯父は数年前に亡くなり、独り暮らしとなった伯母を囲んで、元気づけてあげたいと夏前からこの日の開催を決めていた。

このところ想定外の雑務が次々と入り、なかなかメニューが決まらなかった。結局、はじめに「A家の思い出」というテーマが決まり、それに合わせてメニューを考えていった。A家は私の母の実家であり、伯母が跡継ぎの嫁として嫁いだ家だ。母の父・二郎氏は一代で個人医院を築き、院長として活躍する一方、様々な趣味で余暇を楽しんだ人だった。私の祖父・二郎氏とA家の思い出を振り返り、キーワードを上げていった。――海の家、週末の家、その庭での栗拾い、柿の実獲り(高枝切りの鋏が懐かしい!)、白樺、医院近くのケーキ屋さん…。

せっかくなので、思い出を言葉にしたメニューを慣れないアプリで印刷してみた。卓上には、先日みつけた祖父が趣味で描いたはがきを飾った。山の木や花などが好きな祖父だった。

そして迎えた当日。車から降りてきた伯母は、コロナで会えなかった間にだいぶ老け込み、目は心なしか虚ろだった。しかし、次第に以前と変わらぬ明るく快活な伯母に戻っていった。伯母に頻繁に会っている私以外の二人に囲まれている安心感、そして、食事前、私の母の米寿記念に作ったアルバムも「なつかしいわ~」と話題の引き金になった。

食卓へ移り、キーワードに触れながらお料理を出すと、キャッチボールのように、それにまつわる伯母の思い出を話してくれた。お嫁さんのKさんには申し訳なかったが、楽しそうにしゃべる伯母を横からそっと眺めていてくれた。

デザートの冷菓は作ったが、医院の近くで今なお開いているお菓子屋さんから取り寄せたパウンドケーキを添えた。華やかで繊細なケーキが主流の令和の時代に、昭和40年代にワープしたような素朴でありながら丁寧に作られたお菓子。病院界隈の話題でひとしきり盛り上がった。伯母の目はキラキラと輝いていた。

自己満足とも思うが、開催してよかった!この集まりを提案してくれたHさんに心から感謝している。そして、送迎も含めて来てくれたKさんにも感謝。

――くだんのケーキ屋さんから一緒に取り寄せた焼き菓子の詰め合わせをお土産に(「母からみなさんに」といって)差し上げたのだが、夜、Kさんからのメールに、ご主人(伯母の長男)が、包装紙まで昔のままのお菓子に「なつかしい~~」と喜んでいたとの嬉しいコメントが書き添えてあった。やはり私だけではない「A家の思い出」の一つだったのだ。(余談だか、くだんのケーキ店は九段にある、笑)