一昨日、モネに会いにいってきた。上野の国立西洋美術館で開催されているモネの特別展へ。
ここ10年ほどだけでも印象派の特別展でモネを観る機会はあった。しかし今回は格別な再会。日本語の副題は「睡蓮のとき」だが、フランス語の副題を直訳すれば「最後のモネ、水の風景たち (le dernier Monet paysages d'eau)」、モネの晩年の作品が中心。白内障を患い、色も視力も失っていく中で描き続けたのは、ジヴェルニーの庭の風景。未完のもの、習作、色や筆遣いが荒々しいものもある。だからこそ胸を打つ。幸運にもジヴェルニーを3回ほど訪れているだけに、最晩年にもなお描きたかったのは、庭のこの部分、この風景だったんだ…、とジーンとくる。
モネがジヴェルニー村の近くを流れる川からわざわざ水を引き込んで作った池。歳月をかけて育てた睡蓮や柳。その移ろう光と風と水をとらえ続けたモネの晩年の作品たち。自分自身が老齢期を迎えた今、再び向き合えて、一層味わい深く感じたひとときだった。