60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

料理教室、学習障害、写真整理、外国との縁など徒然に

正月のハイライト:夫の母を訪ねる

新年の仕事始めの月曜日。我が家も、娘が昨日の夕方にグループホームに戻っていき、今度の週末まで滞在している息子も今朝から会社に出かけた。

10年前に夫が亡くなり、4年前から隣にいた実母がホーム入居、その翌年には息子家族がロンドンへ。ここ数年、娘と二人で年末年始を過ごしていただけに、今年は息子が加わり有難い年明けとなった。このお正月のハイライトは、なんと言っても二日目。川崎の高齢者住宅に暮らす98歳の義母を3人で訪ねた。

ホームの食堂では出ない一口サイズのサンドイッチとプリンを買ってお昼に到着。いつもは普段着で扉を開けてくれる母だが、この日は白いフリルのブラウスに紺の別珍のジャケット、それも真珠のブローチまでつけて私たちを迎えてくれた。背中は曲がっていなく、杖もつかずにスタスタと部屋の中へと案内してくれる。ヨタヨタ状態の実母を見慣れている私はもちろん、子どもたちも目を見張る。

23年の夏に、一時帰国中だった息子の5歳(当時)の長男が「パパの代わりに」私と会いに行っているが、義母が息子に会うのはかなり久しぶりのことだ。さっそくテーブルを囲んでサンドイッチをつまみながら皆で思い出話に花を咲かせた。義母の長男であり、子供達の父親についての思い出話は笑いを交えながら尽きることはない。義母は不意に「嬉しくて…(泣きそう)」と言葉を詰まらせる。子どもたちが話す父親の思い出を聞き、ときおり彼らからの質問に答えたりしながらサンドイッチを口に運ぶ母。小柄でいつもは少食の母だが、ローストビーフやサーモンが入ったサンドがゆっくりと一つずつ消えていく。やはり60代で他界した(義母の)夫の話、自分の広島での被爆体験、更にもっと小さかった頃の話なども語ってくれた。旧いアルバムや子供達の父親(義母の長男)の高校時代の卒アルも引っ張り出してきた。子供達にとって初めて見るものばかりで興味津々に覗き込む。息子は若かりし父親を指差しながら「僕に似ている、こっちはJ(息子の長男)に似ている」とコメント。「嬉しくて…」、義母はまた涙ぐみながら呟く。モロゾフのプリンと紅茶でティータイム。結局4時過ぎまで滞在し、義母は別れを惜しむようにホームの玄関まで私たちを見送りに降りてきてくれた。

孝行とは相手が喜ぶことを意識的にするというニュアンスを含むように思うが、今回の訪問はおばあちゃん孝行を超えていた。ロンドンの息子を筆頭に、娘も、私も、3人で会いに行ってゆっくりと話ができて心から良かったと思え、それぞれの心が満たされた4時間余りだった。義母が今年99歳になるにもかかわらず認知症ではない有難さをそれぞれに感じた。鬱病を長年患っていたことが嘘のように、子どもたちが見たことないほど「元気なおばあちゃん」だった。

高齢者ホームから駅に向かいながら「行ってよかった!」というセリフに続いて、誰からともなく「おばあちゃん、よく食べたね〜。びっくりした〜」「サンドもプリンも完食!まさかと思った」(笑)ーー心身の元気と活力の源は、孫パワーに勝るものなし!


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