https://eiga.com/movie/103416/
ここ2ヶ月ほど、映画館でのフランス映画鑑賞がプチブームだ。始まりは幼児教育で有名なマリア・モンテッソーリについて描いた映画を見たこと。大手の映画館ではなく、地元の商業ビルの地下にある小さな映画館で上映していた。見終わって出てくると通路に上映予定の作品のチラシが横一列に並んでいた。そこで目にとまったのが「犬の裁判」というフランスとスイスの合作の映画。封切りを待って忙しい日々のスキマ時間に見に行った。雨の中25分歩いて上映3分前に駆け込んだ。平日なのでタカをくくっていたら、残席はわずか3つと言われて驚いた。
「犬の…」を見たあと、またまた「次、これみたい!」というのを見つけてしまい、今日も直前になって行く決心。スマホでの予約操作をミスってしまい、またまた5分前に飛び込んで席を確保。今回はもう少し席が選べた。
「秋が来るとき」という作品。どの映画もそれぞれによかったが、今日のが一番心に響くストーリーだった。ブルゴーニュ地方の小さな田舎町に住む80歳の女性が主人公。娘と孫と親友とその息子が織りなす人生ドラマ。主人公の顔はみごとなほどシワだらけなのだが、人生の喜怒哀楽を乗り越えてきた証としてこの上なく美しく、最初から最後までその円熟した美しさと役者の演技に見惚れた。1981年にアカデミー賞に輝いた映画「黄昏」をご存知の方はいるだろうか?あの映画に通じるものがあり、晩年の名優キャサリン・ヘップバーンと重なるところがあるといえば想像していただけるだろうか。
しかし、アメリカ映画・アメリカ文化と違う空気感と生活感に溢れていた。優劣といった次元ではなく「やっぱり全然ちがうな〜」と感慨深くフランスの田舎の世界にどっぷりと身を置いたひとときとなった。それと同時に、どのように老いて人生の晩年を迎えるか?をいうシビアな問いを、この映画は一人暮らしの私に突きつけてきた。今なお、さまざまな思いと余韻に浸っている。