60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

オーディブル

1ヶ月もブログをサボってしまった💦 いいわけにしかならないが、それにはワケがあった。イタリア以外にこの夏、もうひとつのマイブームがあった。オーディブルの利用者になったことだ。

オーディブルはご存じの通り、本を音読してくれるサブスクサービスだ。夏前に、ある写真整理アドバイザーと話していたときにその存在を知ったのがきっかけだ。生まれつき眼が悪い上に、老眼と乱視が加わってピントが合わせ辛くなり、読書から遠のいていた。少しオーバーにいえば、そんな私には救世主のようなオーディブル。文庫本の字をゆっくりとしか追えなくなっていたのが1.2倍速でどんどん「読めて」、長編小説もテンポよく最後まで読み通せる快感を久しぶりに味わってうれしくなった。

そしてこの「耳からの読書」を支えてくれている優れものが二つある。

今どきのイヤホンと小さなスピーカー。f:id:bistrotkenwood:20241003120009j:image

静かな家仕事の時、ウォーキング、電車の中などで、片耳にイヤホンを入れた若者の仲間入りをする婆(笑)。それもiPhoneユーザーでないから、よく見る白くてスキッとしたのではなく、コロンとしたペパーミントグリーンのものを。オンオフや音量その他、イヤホンのボタンをクリックするだけで調節できるから外出時は特に便利だ。また、家事で家の中を動き回っても音源が体と共についてきてくれる(笑)のが、アナログ機器で生きてきた人間には新鮮で嬉しい。

でもあまり動かない家事の時はスピーカーを使う。スマホのフラップを開いて設置するよりもスマートだし、耳をふさぐよりも快適だ。

気づくとスキマ時間に本の続きを聞いている。興味がある小説も実用書も次々と読破。

ーーというワケでブログに費やしていた時間がオーディブルにかすめ取られてしまっていた。でも、暑さもようやく下火になり、普通の日常に戻りつつある今、時間の使い方も偏りがないよう心がけていこうと思っている。果たしてどうなるか?

2か月間のMyブームがおわりました。


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9月末をもってMy イタリアブームは幕を閉じた。娘とのイタリア旅行から8/3に帰ってきて以来、旅のアルバム作りに始まり、(間に3冊のブログ本の書籍化を挟んで)料理の試作へと続き、9月にはランチ会形式の教室の開催。内容はメニューの案内文をご覧のとおり。

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今回のテーマは「夏の名残を楽しむーイタリアの思い出―」。7月末に娘と訪れたイタリアの思い出を、食卓で皆さまとシェアできたらと思っています。まずはベネチアの暑い季節のカクテル(初めてだったのですが、とてもおいしくってフォトジェニックなんです!)とイタリアから持ち帰ったサラミやドライトマトやチーズを使ったおつまみなどで乾杯、そして前菜にツナソースが人気のピエモンテ地方の冷製の肉料理。メインは再びベネチア名物のイカ墨パスタ。お肉とパスタは30年来の我が家の定番料理で、特にイカ墨は家族全員の大好物。それぞれ日本の食材で作れるようにアレンジしたものです。最後は、今回訪れた南イタリアのレモンのリキュールを使った軽やかなレモンのティラミス(オリジナル版です)。カプリ島やアマルフィ海岸に香りでワープいたしましょう。(料理はすべてレシピ付きです。)

今年は暑さが10月近くまで続くという長期予報。夏バテしそうですが、この残暑を逆手に取って、地中海の太陽と風を感じるメニューをご一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。(以下、略)

料理教室の最終回は9/21だったが、その日まで見事に30℃を優に超える夏日となった。来てくださった方々には本当に申し訳なかったが、その分、南イタリア風のしつらえと夏の料理を楽しんでいただけたように思う。みなさんイタリア旅行経験者で、初対面同士でもイタリアを語り始めると一気に距離が縮まり、毎回会話がおおいに盛り上がった。

フランスも皆の憧れの国だと思うが、フランスについて語り合う時に比べ、熱量というか、なにかがちがう。地中海的明るさももちろんだが、フランスをしのぐ歴史、そして芸術と文化の層の厚さと奥深さのなせる業。イタリアという国のすごさに改めて圧倒された。

そして昨日は「若女子会」と呼んでいるかつての文章講座の仲間6人がひさしぶりに集った。きっかけはそのうち一人のKさん。敬虔なカトリック信者でアマルフィー大好き人間。8月の猛暑日に、偶然の成り行きで試作品を食べに来てくれたり、その後、街中で会った時に「使って」と大理石でできたレモン!(*_*; や、私の名入りのナポリの柄のハンカチをプレゼントしてくれたり。


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「イタリアの思い出を語り合う会をやりましょうよ、やってよ!」ということになったのだ。

イタリアから持ち帰った品々のわずかな残りや、柿と生ハムのサラダ、冷凍保存していたイカ墨ソースの余りを利用したアレンジパスタ、材料を買い足してのレモンのティラミス。肉料理はさすがに秋めいてきたので冷製ではなくシチリア風のローストをドーンと。レシピも解説も無いから適当なものばかり。早めに集まってまずはアルバムを見ながらイタリア談義。仕事あり家族ありで日曜日も多忙な若いメンバーたち、見て食べてしゃべりまくって、タイムリミットの15時に一斉解散となった。

二か月間、自分一人で勝手に盛りあがっていた気がしなくもないが、イタリア「狂騒曲」の最終章はアレグロのフィナーレとなった。

 

 

特別な二冊のブログ本


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前回のブログで、旅のフォトアルバム1冊とブログ本3冊を2週間ほどで一気に作成したと書き、前者2冊の写真を載せた。昨日、残りの2冊が届いた。10年間ずっと手つかずだったブログたちだ。その特殊性から、ベルン・パリ時代とも最近の3冊とも違う表紙を選んだ。一巻目は「Paris to Tokyo 2013」。書籍化がストップしたままだったパリの最後の2か月と、8月の極秘裏の帰国からその年の終わりまでのブログ。言い換えれば、夫の病気を知る前までの日々、そして帰国直後からの家のリフォームや12月のフランス政府からの叙勲式などもあり、異例尽くしの日々の記録だ。

二巻目は「 Tokyo 2014-2015」。元日早朝の宮中参内の支度から始まり、5年ぶりの日本のお正月についての記述が月半ばまで続いている。そして1/25のブログ「突然の宣告」(宣告は忘れもしない1/22)。ブログの景色が一瞬にして変わる。この日は、息子が当時同棲していた(のちに伴侶となる)彼女と住むために引っ越して出て行った日ーー息子の「巣立ちの日」ーーでもあった。ここから5ヵ月は激動を超えた日々。そのようすが、主に私自身のメールのコピペという形でブログに刻まれている。夫の他界後もまた、弔問客の波は1年半以上絶えず、その間に秋の偲ぶ会、一周忌に合わせた夫の追悼論文集と夫の著書の改訂版の出版記念会。そして2015年9月19日に夫が最後の職務で関わった安保法案が成立。更に9月26日に息子たちの結婚披露宴。――ジェットコースターに乗っているような1年9ヵ月だった。二巻目はここまでを収録して印刷可能ページ数に達してしまった。

――夫が亡くなって10年。二巻目の「まえがき」の書き出しがすべてを語っている。

>>ようやく「あのころ」のブログを編集するところまで心も時間もたどりつけた。

三年ぶりのブログ本完成!

イタリア旅行から戻って20日間ほど、朝から晩までPCの前に座りっぱなしという、恥ずかしながらきわめて不摂生な生活をしてしまった。ゲーム漬けではないが、アルバム作りと3冊のブログの編集作業に明け暮れた。前回8/13のブログに、「(アルバムを発注したので)日常にもどりつつある」と書いた。しかし、直後にこのHatenaブログの編集作業に突入した。料理教室が休みの8月だけ、集中力を要するこの作業に取り組めるからだ。Hatenablogは3冊目なのだが、過去の2冊は投稿件数が多かったので1年分が一冊にまとまった。それが今回は3年分で同じページ数。しかし収録期間が長いよさもあったし、とてもよい振り返りとなった。

まず、息子の長男のJ君がちょうど幼児の時期で、バアバとの密接なかかわりのリアルタイムの記録が臨場感に溢れていた。読み返して、今でも胸キュンものだった。そして息子の単身留学、東京での次男誕生とそのすぐあとの家族揃っての渡英、翌夏の一時帰国などなど、息子の家族にとって大変革期だった。

また、この間に私が高齢者(65歳~)、娘も40代となり、母娘の関係がよい意味で変化していっていると感じた。更に、すっかり忘れてしまっている出来事も多く、懐かしく再体験できて幸せだった。

編集作業によって久々に過去をふりかえってみて、たとえ記載頻度が減っても、ブログを書き続けていきたい、綴っていくべきだと改めて思った。(老人になると、過去のことをすぐ忘れてしまいますものね、笑)f:id:bistrotkenwood:20240828140442j:image

[数日前に揃って届きました]

娘とのイタリア旅行

前回ブログの翌日7/27から娘と二人でイタリアへ8日間のツアーで行ってきた。帰国直後は二人分の洗濯、旅の片づけ、そのあとはずっとアルバムづくりに没頭していた。今ごろになってようやく少し日常に戻りつつある。

さて、作成したアルバムの冒頭と末尾に掲載した文章をここに引用する。

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[冒頭] 始まりは、冬にローマから一時帰国中の友人に会ったこと。
彼女がいる間に行きたくなり、母一人でお手頃ツアーに申し込んだ。
昨年の英国旅行で体調を崩したゆきは、数年間は母とのツアー旅行はしたくないと言っていた。

ところが、イタリアと聞いたら一転「私も一緒に行く!」と、大好きな『ローマの休日』の舞台の国だから。
その後、当初のツアーが催行中止になったり紆余曲折。
結局、ゆきがチョイスしたツアーに参加。
ちなみに、ゆきのキーワードは、『ローマの休日』「ポンペイ」「イカ墨パスタとティラミス(笑)」!

[末尾〕 帰路はヴェネチアの小さな空港からローマで乗り継いで羽田まで。8/3AMに無事に帰国。

連日の猛暑の中、二人とも体調を崩さず最後までツアーを楽しめた♡

紆余曲折あって予算オーバーのツアー。そこに円安の追い打ち、冷汗

でもでも、思い切って二人で出かけてほんとうによかった!

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私一人の旅だったら、再びリーズナブルなツアーをみつけるまで見送りたいところ。しかし中止の連絡が入った時点では娘は既に職場に休暇の許可をとっていた。「やっぱり思い立ったら吉日。無理してでもいくべきよ」と私の中で背中を押す声。それには訳がある。

フランスにいた11年前の夏季休暇もまた、いつもと変わらず夫の運転する車で仏南西部を楽しく旅した。その11か月後、病で変わり果てた姿となった夫はこの世を去った。まさに字のとおり、この世は常では無い、無常。それ以来「いまでしょ!」という気持ちが強まった。

実際に旅してきてみて、娘と二人のかけがえのない思い出がまた一つできた、行ってよかったと心から思う。思い出とは、人に盗まれることもなく、消えることもない。一生残る心の宝物。

そう、過去のブログで折に触れて書いてきたが、娘の成年後見人の私は、その監督人である司法書士から言われた言葉に、常に背中を強く押されている。「娘さんにたくさんの幸せな思い出を作ってあげてください。それができるのは、あなた、おかあさんだけですよ」さらに「たとえ娘さんの老後にお金を残してあげたとしても、娘さんの幸せにはつながりませんよ」

大好きで、ビデオテープが擦り切れるほど見た「ローマの休日」の名場面に自らが立ち、本場のジェラートを食べ、五感で追体験することーーその喜びは、普通に海外旅行ができる健常な女性たちには想像できないほどの価値があることなのだ。お金が沢山あった方が老後の選択肢が増えるのは健常者の世界。

作成したアルバムも主役は娘。将来、楽しかったイタリアの思い出がリアルによみがえってくるような工夫をしながら作り込んだ。そもそも、私のデジタルアルバムづくりの出発点は、13年前に娘のために作った渾身の1冊。偶然の幸運が重なり、娘が私たちが当時住んでいたスイスまで来れたときの思い出を詰め込んだもの。

たまたまの理由から2年連続となったが、娘との遠いヨーロッパまでの旅はたぶんこれが最後になるだろう。

フィナーレをよいかたちで締めくくれてよかった!

娘が見つけておいてくれた穴場のカフェ

 

 

レモングラス風味のタイ料理

首都圏のこのところの暑さと湿度、そして午後からの激しい雷雨は、40年前に住んだバンコクを思い出させる。東京ももはや熱帯の仲間入りしたのではないかと感じる。

7月の料理教室が無事に終わった。皆さんは汗だくで到着、申し訳なく思いつつただ感謝。暑かった分だけ、現地気分でタイ料理を召し上がっていただくことができた。

久々に紹介したトムヤムクン。今回はココナツミルクが入ったコクのあるタイプ。

みじん切りの生のレモングラスたっぷりとタイの調味料で味付けしたタイ風の焼き鳥。

ヤングコーンや生キクラゲ中心の野菜炒め。

どれもビールとジャスミンライスが進むおかずたち、喜んでいただけた。

そして、タイのハーブたちが間違いなく暑気払い、夏バテ防止に効力を発揮していると思う。私自身は、試作段階から教室最終日まで幾度も食べ続けているわけだが、6月から真夏日が続いたにも関わらず元気に動き回れているのは、レモングラスを始めとしたハーブやニンニク、レモン汁のお陰だと思っている。

ところで今回は大きな反省点があった。仕上がったトムヤムクンを、初日の方たちにはタイ製の小鉢によそったのだが、有頭エビ2匹を入れると汁が少ししか入らなかった。エビとハーブの旨味が溶け込んだ汁もごちそうなのに。大失敗!初日の方たちに申し訳なかった。ごめんなさい🙇💦💦

一晩悩み、食器類を大々的に変えて二日後の教室を迎えた。祖母の古い大ぶりのお椀に盛ってみたら大正解!

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器と料理の合わせ方に柔軟性がある方だと思っていたが、まだまだ頭が固かったわけだ。塗りのお椀に100%タイの汁物を盛り込む発想に至らなかった。

今回の失敗を次に生かさねば!と思う。f:id:bistrotkenwood:20240726175553j:image

11年目に突入


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夫の10回目の命日月が終わった。振り返ると悲喜こもごも内容がぎっしりつまった10年だったと思う。その間に独り暮らしも板についた。

6月も相変わらず貧乏暇なし。料理教室4回、毎回6時間のルームスタイリスト講座を3回、写真関連業界のイベント、そして月末には自宅で写真整理のワンデー講座まで。他にもコンサート、友だちとの時間ーー「僕がいない方がよっぽど楽しめてるんじゃない?」と言われそう😅

いや、そんなことはない。先日のスイスの名品チーズを味わい、そして今日、親しかった方から届いたスイスのニュースレターを読んで、夫がいたらこの10年は、スイスとの繋がり一つとっても、全く違うものになっていただろうとしみじみと思った。

昨日は、「(病に臥せていて)遅ればせながら」との前置きと共に夫の同僚からご丁寧な命日のご挨拶のメールが届いた。毎年必ずくださる方だ。「ご存命であれば(世界情勢について)ご意見を伺いたかったところです」と結ばれていた。

しかし、「もし(生きていたら)…」と言っていても仕方がない。11年目に入った今、永遠に63歳の夫を後ろに残して、一人で前に進み、歳を重ねていくしかない。それならば二人分楽しみつつ、有意義にすごさねば!