60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

OKY &  OKO

ちょっとおもしろい話を息子から聞いた。
息子が勤める会社は、海外業務の経歴が比較的浅く、基本的には国内が市場の会社だ。その中で、息子が所属する国際部の社員たちの間で、ときおり耳にする略語が「OKY」だという。
「KY」=「空気が読めない」は市民権を得て久しい略語だ。KYが共通していても、OKYは全く違う。

「お前が(O)来て(K)やってみろ(Y)」

海外業務の実績と経験が豊かな商社などの一流企業にとっては織り込み済みのトラブルや事例であっても、未経験の人が過半数を占める会社には、一つ一つがハードルとなる。国際部の社員たちは国内では想像できない事象に遭遇し苦労する。それなのに、社内からは苦言をいわれ、板挟みとなる。そんなときに「OKY」が思わず口を突く、ということらしい。
「言うは易し、行うは難し」。異文化のなかで、実際にやってみてから言ってほしい。
なるほど、わかる、わかる!と思わず膝を打った。

息子はさらに続けた。「OKOっていうのもあるんだ」「どっちもうちの社員が考えたものじゃないみたいだけど」
海外経験を積んで戻ってきた社員は、帰国当初は、国際スタンダードを社内に持ち込もうと意気込む。しかし、

「お前も(O)ここに(K)おったやろ(O)」

と切り返され、いつしかまた以前と変わらぬ流儀に染まり、戻っていってしまう…。ナルホド。
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こうした体質を、21世紀の日本人として笑ってよいものかどうか?、「おまえ」という男言葉の使用の是非についての議論は、ここではさておき(追求すると文化論にまで発展しそうだ)、このペアの略語を考えた人は、なかなかウィットに富んでいる。

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