60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

母の老い

昨日は一日、母の用事のフルコース。
補聴器調整、ランチ、室内履き用のスニーカー購入、(二人で帰宅したのち)訪問看護師による入浴。おまけに母の家の外灯が2ヶ所同時に切れてしまい、不慣れな電球交換の男仕事も頼まれた。

午前中は、オーバーホールに出していた補聴器を受け取りに専門店へ。
お店に同行したのは先週に続いて二回目。それまでは、母一人で行っていたが、今回はお店までの歩行、現地での対処等が不安になったようで、付き添いを頼まれた。

受け取りといっても、仕上がったメガネを受けとるよりもずっと手間がかかることを知った。
オーバーホールされた補聴器を、母の低下した聴力に最大限合わせるための特殊なテストが繰り返された。指先でつまめるほどのサイズの機械が、いかに精度の高い精密機器であるかを知り、驚きつつ興味深かった。
同時に、母が補聴器をつけても尚、こんなに聞こえていないのかと愕然とした。たとえば、ランダムに発せられるアイウエオ表の音(濁音等も含む)を復唱するテストを横で聞いていたが、間違えたり聞き取れない音が予想以上に多かった。

認知症がなく、いまだ知的好奇心が旺盛で、人とのおしゃべりが大好きな母にとって、音によって外界から情報を思うように得られないフラストレーションはさぞ大きいだろうと気の毒に思った。
本当は、美術展や観劇・音楽会などにも出かけたいのに、それも難しくなっている。
かつては背筋が人一倍ピンと伸びていた母だが、いまや背中が大きく曲がり、杖をつき、最短距離しか歩けない。

これが老いというものだと改めて感じる。
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今年は昨年に比べ、喪中はがきの数がかなり増えた。
私の世代の親御さんたちが天寿を全うされる時期と重なってきてしまった。
でも、90代の大往生の方が多いので、母はまだまだ大丈夫と勇気づけられる。
一方、本人の願望・欲求と、身体・運動機能との背離が一層進み、母にとって不本意な思いが増していくだろう。

日本は世界有数の長寿大国になって久しいが、老いること、長く生きることは、本人にも、周りの者にも、行政にとっても、大変なことだとつくづくと思う。

明日は我が身。
どう備えればいいだろう?
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[冬のベルン市(スイスの首都、ユネスコ世界遺産)]