1/10の読売新聞朝刊一面の「編集手帳」に、風花(カザハナ)について触れていた。
近隣の山の雪が風で飛ばされ、快晴の空気中を舞う様子を指す言葉のようだ。
読んだ瞬間、スイスのダイヤモンドダストを思い浮かべた。
しかし、次の瞬間、「ちがう!」と思った。
飛ばされた雪が空気中を舞うのは、もちろんスイスでも幾度となく見た。太陽の光を浴びると確かにキラキラと光る。
しかし、同じように細かい粒子であっても、輝きがちがうのだ。クリスタルとダイヤモンドがちがうように。
とはいえ、風花とは、なんと風情がある言葉だろう。
即物的な表現「ダスト=ほこり」に比べたら、日本の風花に軍配が上がる。
ちょうど手紙を書くために、一月の歳時記をみていたら「風花」も挙げられていた。
日本の睦月の風物詩なのだ。
確かにスイスの自然は、世界一といっていいほど美しい。(かなり贔屓目な言い方だが…)
しかし、五感を使って自然の移ろいを愛で、美しい言葉に昇華させる感性と文学性は、世界のなかでも日本人は特に秀でているように思う。(これも贔屓目?)
「かざはな」の言葉とそのしっとりとした響きを大切にしていきたいものだ。