60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

ニ胡演奏家 チェンミン·ライブ


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ニ胡という楽器をご存知だろうか。

昨夜初めてニ胡の生演奏を聴く機会に恵まれた。10年ほど前からこの楽器を習っている親友のMさんに誘っていただいたおかげだ。Mさんはつい最近になって在日のニ胡奏者として有名なチェンミンさんに弟子入りした。前の先生がコロナの影響で教室を閉じたのがきっかけとなった。昨晩は赤坂の小さいライブハウスでのチェミンさんのライブ演奏会だった。独奏あり、中国の若手のニ胡奏者三人とのアンサンブルあり、素敵なトークと解説ありの渾身の演奏と笑顔に溢れた2時間だった。

そもそもニ胡という楽器を間近に見ることからして初めての私。わずか数メートル先にある小ぶりの楽器、それもたった2本の弦しかない楽器から信じられないほど多彩かつ複雑な旋律が生み出されること自体がまるで魔法のようで、目を凝らして見入った。それ以上に、名実ともに心の琴線に共鳴する音色に引き込まれ、魅了された。スラリとスリムでモデルのようなチェンミンさんが情感豊かに曲を次々と奏でる。憂いを帯びた中国的な旋律から、作曲されたオリジナル曲、往年のハリウッド映画の主題曲、情熱あふれるタンゴの曲、アメリカのカントリーミュージックまでが、複数のニ胡によって新境地の曲となって心地よく響きわたる。その立役者が、舞台の左手で静かにギターを弾き、その風貌にチェンミンさんが敬愛を込めて「住職」と呼ぶ村石氏であるという。ギターの名演奏にとどまらず、ニ胡の魅力を最大限に引き出すこうした編曲は、全て同氏によるものだそうだ。

今まで聞いたことがない音の世界を贅沢に周遊してきたような心踊る素晴らしい時間となった。

Mさん、素晴らしい世界へといざなってくださって本当にありがとう💗