スイスの氷河と聞いたとき、人々が目に浮かべるのは、たぶんアレッチ氷河だと思う。スイス周遊のパック旅行に、多くの場合、組み込まれているように、ユングフラウヨッホ展望台からアレッチ氷河を見ることができるからだ。
好天に恵まれたツアー客は、Top pf Europe(ユングフラウヨッホまでの鉄道と展望台のキャッチコピー)から、ヨーロッパ最大の氷河が一望できるのだ。
[下: ユングフラウヨッホ展望台より]
しかし、もう少し氷河観光にこだわる人は、ユングフラウがあるベルナーアルプス山脈の南側のヴァレー州の谷に回り込み、ケーブルカーで南斜面を登って山の稜線にある展望台に立つだろう。そこから北を向いて見るアレッチ氷河は圧巻だ。眼下に右から左へと‘’流れる”姿を眺められるのだ。
なるほど「氷の河」だと納得する。
[別の展望台から。右奥に見えるのがユングフラウ、メンヒ、アイガーの‘’裏側”]
更に上級編では、ガイド付きで、氷河の上を歩くこともできるらしい。
「クレバス」として知られる、転落したら命取りの氷の割れ目があるから、専門家と共に細心の注意を払う必要がある。
リスクを侵さない私たち夫婦は、もちろん歩いたことがない。
昨年の世界的な猛暑で、このアレッチ氷河もかなり縮小してしまったと日本の新聞でも取り上げていた。
地球の歴史時間の中で、ほんのわずかの時間しか存在していない人類が、それもここ数十年の間に、地球が作り出してきた遺産や資源を枯渇させてしまっていいのだろうかと思ってしまう。