60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

8回目の命日に

昨6月23日は、夫の8回目の命日だった。

今週に入り、さまざまな方からご連絡をいただいている。毎年必ず命日にお悔やみの言葉を送ってくださる仕事でご縁が深かった方。夫が病と仕事の合間を縫って最後の最後まで通い続けたピアノの先生…。もちろん私の友人たちからも。こうして8年経ってもなお覚えていて、惜しんでくださる方がいる夫は幸せ者だ。

そのなかで、月曜日の朝、思いがけない方から電話があった。信山社という法律系専門書の出版社の編集者、稲葉文子氏からだ。稲葉さんは、夫がベルン勤務時代に、ライフワークとしてまとめあげた原稿を、『実践国際法』という専門書にして下さった方だ。更に信山社の稲葉さんは、夫が亡くなった一年後の命日に合わせて、夫の悲願だった第一版をupdateした第二版、及び追悼論文集、その上、夫の出版物をまとめた本まで出して下さった。

その稲葉さんからの電話は、このたび『実践国際法 第三版』の出版の最終段階に入ったとの連絡だった。今までの二冊で夫をサポートしてくださった外務省国際法局の方々が中心となって、第二版から7年経った今の国際法を取りまく環境に則して内容をupdateしてくださったのだ。

[信山社の新刊の紹介]

※お時間がある方、よかったら「試し読み」をクリックしてみてください。目次や前書きなどで本の概要がわかるかとおもいます。

https://www.shinzansha.co.jp/smp/book/b10013654.html

第一版からわずか11年に二回も改訂版を出すのは異例にちがいない。それも「売れる」タイプではない専門書だ。しかし、一介の主婦にすぎない私を含む一般人からみても、政治家もマスコミも「国際法」「法の支配」などの用語を使う頻度が急速に増えている。そのように様変わりする世界の中で起きたこのたびのロシアによるウクライナ侵略。第三版では、このことにまで言及しているという。

激務の日々がここ数年続いていることは想像に難くない中で、この本の原稿の改訂と精査に多くの時間を割いてくださった方々には、ただただ頭が下がるばかりだ。もはや夫の本ではなく、外務省国際法局の優秀な有志の作品に昇華していると思う。同時に、有志の方々と信山社の稲葉さんのおかげで、夫が今も尚、本の中で生き続けてさせていただいていることに、遺族として感謝の念にたえない。

一日早い22日にお墓参りに行った。稲葉さんからの電話をいただくまでは、二人目の孫の誕生がトップニュースだったのだが、同じくらいビッグな第三版の誕生(=出版。こちらは第二子でなく、三番目!)という朗報も、墓前で披露することができた。公私ともにうれしい知らせに、夫はさぞかし喜んでいることだろう。

第三版の刊行日は、実際には少し遅れるものの、命日の2022年6月23日にすると稲葉さんは言われていた。最高の供養に深謝申し上げたく思う。