これが武蔵野の秋の色なのだろう。
このところ旅先の友人やテレビからは、色鮮やかな日本の秋の便りが届く。ちょっぴり期待しながら近くの公園にたびたび出掛けるが、色づき方は今年は遅い上に例年以上に控えめだ。自然な姿を尊重する都立公園なので、桜は世代交代させているが、見映えのする紅葉などはほとんどない。
しかし、昨日は久しぶりにうれしい出会いがあった。
ゴイサギの幼鳥のホシゴイだ。鹿や猪と同じように幼少期ならではのホシがある。親の精悍な顔立ちとブルーグレーの衣装と違って、どこか愛らしい。目の前の杭に彫刻のように静止しているので、気づいて足を止める人はいない。カワセミならばみなカメラを向けるのに。地味目な池の風景に溶け込んでいる。
紅葉の錦はなくても、やっぱり生まれ育った武蔵野の秋は好きだな、とふと呟いた。