昨日、友人が、夕暮れ時の4月のパリの空の素敵な写真をシェアしてくれた。
2012-2013年頃の同時期に、その友人と私はパリに滞在していた。
添付されて届いたのは8年前の4月13日の写真。その時、友人も私もパリに住んでいたのだと、夢をのぞき込むような気持ちで写真を眺めた。
ふと、私はどんな写真を4月のパリで撮っていたのだろう?とデータを探った。
13年の4月は、郊外へのドライブの写真が中心。
ところが2012/4/15の写真にはハッとさせられた。
前々回のフランス大統領選挙の終盤戦、最後の日曜日(だったのだと思う)。現役サルコジ大統領と当時の社会党第一書記のオランド候補の対決。
サルコジ大統領がコンコルド広場で最後且つ最大の演説集会を開催した。
夫と私は、偶然、地下鉄駅コンコルドで下車して地上に出て、この光景に遭遇した。
マドレーヌ広場からの大通りも車両通行止めとなり、人々がまだ次々と参集していた。
一帯に溢れる群衆の熱気。
有名な彫像に上って演説を聞く若者たち。
サルコジ候補の演説に熱がこもるたびに、群衆からは勝利を確信したかのようにワーッと歓声が上がる。
アメリカ大統領選挙の中継でも見たことがある光景だ。
しかし、なんといっても場所の重みが違うと思った。
バスティーユと並び、フランス革命の歴史が刻まれたコンコルド広場だ。マリー・アントワネットの最期の地…
熱狂する人々に圧倒されつつ、私たちは足早にその場を離れた。
あの時に肌で感じた「パリ」を、写真が思い出させてくれた。
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周知のように、この後、サルコジ大統領は敗れ、後者のオランド候補が勝利して大統領に就任する。いずこも栄枯盛衰…
それにしても、いま見返すと、コロナというパンデミックが蔓延する前のパリの写真だと改めて思う。
現在、日本以上に深刻な状況下にあるフランスをおもうと心が非常に痛む。