60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

ファミリーアルバムの最終章

出産予定日が迫っているお嫁さんのところに24時間いつでも駆けつけられるよう、臨戦態勢に入って一週間が過ぎた。
落ち着かない。しかし、時間は空いている。普段できない片付けでもやればいいのに、苦手なものには気持ちが向かない。
結局「写真整理の自習&実習」を口実に、この二ヶ月で3つ目のパターンとなるアルバム制作に時間を当てた。主に夫と私のこども時代をまとめた『IとMのファミリーヒストリー [副題]写真で二人の生い立ちをたどる』。同じデータを使って色々なパターンを試しているだけに、写真整理の初心者アドバイザーとしての気付き、悩み、学ぶことが多い。

その一方、60代の一個人として、仕上がったアルバムを手にするたびに感じる充足感もさることながら、「つくる」というプロセス自体に大きな意味があったと改めて感じている。旅、料理などがテーマのものも多いが、夫と私の人生に関するものがかなりある。夫が亡くなってからの数年間は、アルバム作りがグリーフケアの一部になっていた。アルバム『最後の一年』など、グリーフケアそのものだ。亡くなってから来月で8年になるが、最終章となる今回の一冊で、夫の人生がかなり綿密な記録として、隙間のない一直線につながった。
そしてそれらを俯瞰してみて「短かったけれど、夫にとっていい人生だったんだ」と心から思える。
写真を整理し、アルバムを作るという作業は、故人を偲ぶ場合だけでなく、例えば還暦や古希を夫婦で元気に迎えた場合であっても、それまでの人生を客観的にふりかえる最良の機会となる。老いへの不安を解消する効果もあるように思う。
夫への感謝の念も深まった。
「一緒の時はあんなに喧嘩ばかりしていたのに、(亡くなってから)どんどん美化していっているよ」とまたまた息子には言われそうだが、笑。

まもなく夫の孫がもう一人増える。
いつの日か、4歳のJ君とその弟に「おじいちゃんて、こういう人だったのよ」と見せてあげ、語ってあげられる日が来るのが楽しみだ。そういう孫たちを授けてくださった神様と、息子夫婦にも感謝だ。

[近くの池の今年の睡蓮。
夫の半年後にフランス人のご主人様を亡くされた方に『Requiem』というタイトルのアルバムを作ってパリまでお送りして以来、毎年、感慨深く眺める花だ。
アルバムには、ジヴェルニーで撮った睡蓮を始め、たくさんの花の写真、ご主人様の出身地サンマロの写真などを収めた]