今月は、普段あまり使わない銀器を出したせいか、自然とバター皿も、いつも使わない、実家の母からもらった「エレガント」系のものが戸棚の奥の方から登場。
縁に「butter cutter」と刻印してある道具も、キッチン道具大好きだった実母からもらった。
一発で均等にきれいに切れる。包丁さばき世界一の日本人の料理人には必要ないが、合理性を追求する欧米ならではのもの。多分、1960年代のもの。
料理教室では、時短になるので愛用している。
ところで、今回のバター皿、実は、かつて母がお客様をするとき、食卓やコーヒーテーブルなどに置く灰皿として使っていたもの。
オードリー・ヘップバーン主演の映画でも、ヘップバーンがエレガントに細いタバコをくゆらせていた時代があった。そうした令夫人に、オフィスで使うような灰皿を差し出すわけにはいかない。
お客さまを招く女主人は、女性用の細いタバコと灰皿をさりげなく置いていたのだ。
[下の写真の後方は、セットの煙草立て]
久しぶりに眺めてみて、昔のもののよさを実感する。
いや、こちらが歳をとっただけのことか?
いずれにしても、残念ながら本来の使い道は失われてしまった。
「戸棚の肥やし」にするよりも、せめてもの出番と思って、賛否両論あると思いつつ、今回、お皿を登場させてみた。