60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

鎌倉の銀の鈴社

現在、子ども向けの電子書籍500冊を(期間限定で)無料解放している出版社がある。
鎌倉にある家族経営の児童書などを中心とした出版社、銀の鈴社だ。
このことが、現地取材の生中継で、3/31夕方のNHKの「シブ5時」で紹介された。
経営者一族の一員である友人が知らせてきてくれた。
https://www.ginsuzu.com/category/%E9%8A%80%E3%81%AE%E9%88%B4%E7%A4%BE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/

かつて有志でお邪魔させていただいたことがあるが、鎌倉の佐助稲荷や銭洗弁天に近い落ち着いたたたずまいの、映像通りの素敵な出版社だ。

小中高に通う生徒たちにとって異例の長い休みとなってしまっている現在、銀の鈴社は、子どもたちが家で安心して読めるようにと、電子書籍を500冊も無料開放してくださっているのだ。
この非常事態の中で、子どもたちを取り巻く環境について、該当する年齢の子どもも孫もいない私は、その深刻さを正面から認識していなかったことに今回気づかされた。
公立図書館まで休みになってしまうということは、せっかく自宅ですごす時間が普段よりもあるにもかかわらず、子どもが「本を(借りて)読もう。読みたい」と思っても、その手段が奪われてしまっているのだ。「ゲームやテレビよりも本を」と思う親にも、図書館の門は閉ざされている。

同社の西野真由美社長は取材の中で、対象となる絵本の作家たちに無料開放の許可のお伺いをたてた時のことを語っている。
「どなたも反対することなく、むしろ、『(この大変な時期に)何かしたいと思っていた』ととても喜んでくださった」というのである。
日本の将来を担う子どもたちへの、作家たちと銀の鈴社からの、なんとありがたい贈り物だろう!
素晴らしい社会貢献だ。

偶然にも、同日の読売新聞朝刊に、柳田邦男氏の新刊『人生の一冊の絵本』(岩波新書)の紹介記事が出ていた。
記事の見出しは「絵本の中に人生論や哲学論」。

専門的知識もなにもない私だが、子ども時代にたくさんのよい絵本や児童書に触れることは、その後の人生の豊かさに直結すると思っている。軽度知的障害者の娘にとって、絵本が彼女の日本語の教科書であり、その後の人生の教科書になっているといっても過言ではない。

本題に戻るが、4月も引き続き学校の休みが続きそうな模様だが、それだけに、銀の鈴社が興して下さったこの素晴らしい動きが、更に大きなうねりとなっていくことを期待したいものだ。