60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

桜とクリスマスローズ

桜とクリスマスローズ。

言葉の響きも花のイメージも正反対に思えるが、実はどうも相性がいいらしい。そもそも、同じ時期に咲く花たちのようだ。

初めてその組み合わせをみたのは、6年ぶりに日本で春を迎えた2014年。千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に近い、遊歩道の桜並木の足元に植えられていた。桜の木の下に、さわやかな緑の葉をたっぷりと広げ、クリスマスローズ特有の薄緑がかった花と渋い赤紫の花が、お辞儀するように群生して咲いていた。

それぞれに繊細な色みを帯びた和と洋の花たちが、花弁の質感のコントラストとともに、枝だけの桜に対して、葉が茂るクリスマスローズといったように、お互いに相手を引き立て合っていた。まだスマホを持たない頃だったので、その素敵な組み合わせは、残念ながらスナップ写真1枚しかない。

ところが、昨日、ファミリーアルバム作成作業中に、思いがけない場所でこの組み合わせに遭遇して驚いた。いまから20年近く前、米国首都ワシントン勤務の際に住んでいたケンウッドという住宅地の写真の中にあったのだ。桜並木で有名なところだ。当時は、クリスマスローズという名前すら知らなかったと思うが、お花見で散歩していた時に目に留まってカメラを向けたのだろう。

閉塞感と不安が日ごとに募るいま、花々が奏でる上品な華やかさに心が吸い込まれ、長いこと眺め入った。

     *     *     *

桜といえば、今日は地元の小学校の入学式。

しかし、期待で胸をふくらませてこの日を迎えた一年生とその保護者たちには、本当に気の毒なハレの日となってしまった。入学式を待つように長持ちしてくれていた桜なのに、記念写真撮影も中止になってしまったことだろう。

ピカピカの一年生たちのためにも、少しでも早くコロナウィルスが終息し、学校再開となってほしいと切に祈っている。

 

f:id:bistrotkenwood:20200406144911j:plain

ワシントンDC郊外、ケンウッドにて(2002)

f:id:bistrotkenwood:20200406152046j:plain

千鳥ヶ淵にて(2014)