先週末でランチ会形式の料理教室が終わった。今月はアラブ寄りの地中海料理を紹介した(レシピ付き)。メインはタジン料理二種。スパイスの香り豊かな蒸し煮をクスクスと共に食べる料理だ。残暑の季節にぴったりで、初めての方にも好評でホッとした。
タジンといえばモロッコを思い浮かべる人が多いと思う。それだけに今回のモロッコの大地震のニュースは人一倍ショックだ。日を追う毎に増える死者数と被害の大きさに心を痛めている。地震発生の数日前にチュニジア産の白とモロッコ産の赤ワインをえらんで注文していた。間の悪さを恨めしく思った。
とんがり帽子のような形の陶器のタジン鍋が数年前に流行ったと思う。水資源が乏しい土地柄、野菜などの素材が持つ水分を逃すことなく生かして調理する知恵がつまった鍋だ。モロッコから届く緑の少ない景色の中の瓦礫の山の映像を見て、水が貴重な国なのだと改めて思った。
モロッコついて語る以前に、豪雨や地震などの災害に見舞われて不自由な生活を強いられている人々が日本国内にも多数いることにも心が痛む。それだけに、このタイミングで今回の料理を皆さんに紹介することになってしまったことに後ろめたさを感じた。ただ、地震災害のリスクを常に抱える私たちが、普段あまり馴染みがないモロッコに目を向け、心を寄せる一助となったとしたらうれしい。
[ラクダの絵がかわいいモロッコワイン💗]
