60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

母の「幼稚園ママ友」

昨日の午後、地元の母の友人Tさんが訪ねてきてくださった。Tさんと母は、お互いに、ほぼ同い年の男女の年子を育てた同士、兄と私の幼稚園時代のママ友なのだ。半世紀以上のお付き合いが続いている。
母が老人ホームに一ヶ月間体験入居する予定なので、「しばらく会えなくなっちゃうから」と寒い中、10分ほど歩いて来てくださった。
親友というほどの仲でもないが、卒寿を目前にした二人が、こうして付かず離れず交流しあえるのは、「結婚して以来、ずっと同じところに住み続けられたおかげね」「そうそう。遠いと、この歳では行き来できなくなるからね~」と。「たしかに」と60代の私はうなずく。さらに母の場合、お茶すら一人では出せないので、来てもらって気楽に茶飲み話することもできなくなっている。

「そうだわ、例の写真アルバムをみせて」とTさん。
昨年の母の米寿祝いに、私が作って贈った母の人生アルバムのことだ。

「ファミリーヒストリー月間③ : 母の米寿祝い」 https://bistrotkenwood.hatenablog.com/entry/2019/09/25/001445

「見に来てね」と言いながら、思いが叶わないまま一年が過ぎてしまっていた。
母の結婚式から始まるアルバムは、Tさんの人生年表と重なる。私たち家族以外にも、共通の知人が何人も登場。
マスクをして、並んで写真をのぞき込みながら、楽しそうに思い出話に興じる二人の姿は、娘の目には、とても味わい深く映った。
「本当にいいものを見せていただいたわ~」
Tさんは、自分自身の人生を振り返ったかのような満たされた面持ちで、しみじみと言いながら、日が暮れた道を帰って行かれた。

今から20年以上経った将来、私もまたこんな時間を友人と過ごせたらいいな~と、羨ましく思った。