60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

一枚のアート作品

現代アートとは恥ずかしながら無縁、見る目が全くない。そもそも古典芸術すら観賞眼がおぼつかないのだから無理というものだ。
そんな私が一つだけ所有しているのが、前回のブログの写真、蘭の隣に飾った作品だ。
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スイスの首都ベルンに住んでいたときに親しくなったスイス人女性、ドリスの作品だ。実業家のご主人がいて、悠々自適の方なのだが、その豊かさとは別次元の、伸びやかな自分のアートの世界にドリスは住んでいた。私にはないものばかりを「もっている」人なのだが、なぜかお互いの波長があい、お宅に遊びにいったり、普段行かないところに日帰りドライブに連れていってもらったりした。
日本の風土に惹かれるというドリス、一ヶ月近くかけて一人旅をしたという。その中でも屋久島は彼女に多くのインスピレーションを与えたと熱く語ってくれたのを懐かしく思い出す。

彼女は様々な素材で作品を作るのだが、この作品のように、分厚いアクリル板の中に何枚もの写真を焼き?込み、不思議な世界を作り上げるのが得意だった。
ベルンを離れる前に一点、プレゼントでくださったのがこの作品だ。

なかなか上手くインテリアに取り込むことができずにいたのだが、今年の蘭の一鉢を窓辺に据えたら、自然と彼女の作品に手が延びて飾っている自分がいた。窓辺の光の中で絶妙なハーモニーを奏で、私を春のファンタジーの世界へといざなってくれる。
彼女のピュアで優しい笑顔も透かして見えるようだった。