60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

温故知新?ーー鯛の海鮮サラダ

合格、卒業、就職、入学など、さまざまなお祝いごとが続く季節だと思う。そこで先月は一足早く、尾頭つきの鯛を使った主婦でも作れる一皿をお教えした。

この料理に出会ったのは、40年以上前のことだ。海鮮料理を得意とする都心の中華料理店で初めて食べ、鯛の刺身のこんな食べ方があるんだと感激した。バンバンジーとも違うタレの作り方を知りたいと思っても、ネット検索など夢のまた夢の時代。しばらくして運良く婦人雑誌にそれらしきレシピが載っていた。それ以来、我が家流にアレンジを加えて、家族のお祝いや、海外でのおもてなしの時に幾度となく作ってきた。海外では、さすがに頭や尾ヒレまで飾れなかったし、国によって刺身に使える白身魚は変わったが、どこでも人気ランキング入りした。

このところ、クラシックなレシピをたびたびご紹介しているのだが、皆さんはかえって新鮮に感じてくださるようで好評だ。若者の間で静かな昭和ブームがあると聞くが、料理においても、古いものを受け入れる寛容さがあるのが今の日本なのかもしれない。

家庭で作りやすくておいしいものは、時代や流行と関係ないのだと改めて思う。そしてまた、自分の昔のレシピを作ると、五感にさまざまな思い出がよみがえってきて、ひときわ味わい深い。

一人になったいま、こうして鯛一尾を使った料理を作ることができ、喜びを分かち合う機会を与えてくださっている料理教室のみなさんには本当に感謝している。