2月の料理教室が無事に終わった。
スウェーデンの国民食、ミートボールのクリーム煮をメインに、冬の北欧風メニュー。リンゴンベリーという赤い実のジャムとマッシュドポテトと一緒に食べる。日本人にとっての肉じゃがのような存在、ご馳走ではなくソウルフードだ。
前菜には、スパイスのほのかな香りがアクセントの自家製のビーツと卵のピクルス。卵のピクルス?それもピンク色??? 日本人の私たちには味も姿も奇想天外に思えるが、クラシックな組み合わせだ。現に60代の私は娘時代に外国のレシピ本で見つけて作ったのが始まりだ。ビーツはピクルスにすると、その土くささが美味しい個性へと昇華し、濃いピンクのエキスが目にも鮮やかな色の卵に染め上げてくれる。
ビーツは「畑の血液」といわれるほど栄養価が高く、卵もまた「完全食」と形容される食材だ。両方をピクルスにすることによって、寒さの厳しい冬を乗り切る天然のサプリメント、いやそれ以上の役割を果たしていたのだろう。もう一つのビーツの名物料理を生んだウクライナにも、日本の東北地方にも、フランスのノルマンディー地方にも、人々の知恵がつまった郷土料理があるように。