60からのしあわせさがし ~bistrotkenwoodの日記

徒然日記、料理教室、学習障害、お一人様、外国との縁

娘とのデート

昨日はサテライト型グループホームで暮らす娘のYと一日デート。ときどき彼女が企画してくれる。前回は、9月に彼女のお誕生日祝いで銀座へ。 今回の第一部はYが住む界隈の散策、第二部は彼女の小さなワンルームで。

最初は町名の由来となっているお寺訪問から始まった。駅近の住宅街の中にこんなに静かな佇まいの空間があるのには驚きだ。楓のトンネルを抜けると本堂がある。紅葉した頃に改めて訪れてみたいと思った。

次は駅周辺の商店街散策。中央線沿線なのだが、なかなかディープな雰囲気が漂う。彼女おすすめのガールズカフェでランチ。バァバ仲間では絶対行かない場所、見回すと高齢者どころか40代以上は私以外一人もいない。バァバの社会科見学だ、(笑)

[大人のお子さまランチが売りの、ぬいぐるみが一杯のキュートなお店だった]

お昼の後も商店街巡り。このご時世なのに物価が安い庶民の町。「今晩のためのお肉を買うから待ってて」とYが並んだ肉屋は、昼間から行列ができている。

そのあとは、あるお菓子屋さんをナビで探して訪れた。つい最近、親戚つながりがあると知ったばかりの、とてもおいしい焼き菓子を作るお店。ここまでの昭和レトロから一転して、住宅街に溶け込むように建つオシャレなお店。フランス・ブルターニュ地方で修行を積んだ若い夫婦が昨年オープンしたという。居心地のよい雰囲気と丁寧なディスプレイに、彼らのお菓子作りに対する実直な 姿勢がうかがえた。

3時過ぎに娘の部屋に到着。6畳一間に最低限のバストイレキッチンがついている狭~いワンルーム。以前よりモノであふれ、ホコリも目立つ。しかし、今日は小言は言わないと心に決めていたので黙認。

靴を脱ぐや否や「まず手を洗って」(そうそう、ちゃんとコロナ対策していてエライ!)

「さっきのお店のアップルパイでお茶しよう。何飲む?」ランチョンマットを出し、インスタントコーヒーを入れ、小さなクリーマーに牛乳を入れて出してくれた。グラニースミス(リンゴの種類)を使ったこんなにおいしいパイを食べるのは久しぶりだ。

「お母さんと見たい番組、録画してあるからみよう!」私好みの番組をセレクトしてくれてあった。1本おわったところで、「私はそろそろご飯の支度するから。お母さんは次はこの番組を観てて」「お昼は洋食だったから、夜は和食にするんだ。レンジでできるおいしい肉じゃがのレシピをみつけたの。それと鯵の干物と、鶏と大葉のつくね団子」。狭~い空間なのに楽しそうに野菜を切ったり、炊飯器をセットしたり、大根をおろしたり。一通り終えるとまた座って一緒にテレビ。

「7時にご飯をセットしたから、炊き上がったら、お魚とつくねを焼くから」(出来立てのおかずを食べられるような配慮、Goodじゃない!)

娘のゆとりある準備のようすにこちらは意表を突かれた。日頃のわたしの長時間の食事準備はいったい何だったんだろう!?と自問してしまった。

そしてすべてが仕上がった。一人暮らしだけどちゃんとお茶碗、取り皿、箸置きまで2人分あった。「見た目も大事だからね」という。「緑もあったほうがいいじゃない」と言いながら大根葉も入った肉じゃがを取り分けてくれた。

最後に現れたのは、冷凍庫でキンキンに冷やした缶酎ハイ用のアルミコップが二つ!「お母さんもやってたじゃない?」(スミマセン、今はもうグラスを冷凍庫に常備してないのよ💦)

そしてお料理のお味は…、お世辞抜きでおいしかった!肉じゃがもつくねも、炊き立てのご飯まで。

――娘に軽度ながら障害がみつかり、山あり谷ありで歩んできた30年近く。

40歳になったその娘が、いま盆地を(サポートを受けながらも)ひとりで歩いている。

感慨深い。