真っ赤なゼラニウムが2階食堂の窓辺に並んだ。何年振りのことだろう?昨年の窓辺は、ウクライナ色の花が彩り、見るたびにウクライナ国民の無事を祈った。その前の数年はゼラニウムもあったが、間を開けて二鉢とまばら。今年はそれより一鉢多いだけなのに、ボリューム感と鮮やかさがアップした。毎朝、2階に上ると真っ先に目に飛び込んできて、朝日に輝く姿で心の元気スイッチがパチンと入るのを感じる。たったこれだけの赤い花を見るだけで、こうも単純に元気になる自分に笑ってしまう。心の中に蓄積されたゼラニウムの思い出がよみがえるからかもしれない。
ゼラニウムといえばスイス。緑の山々に点在する茶色のスイスシャレーの窓辺を彩る赤い花を中心とした寄せ植え。80年代にジュネーブに住み、観光地はもちろん、家々の窓辺や村の広場を彩るゼラニウムの美しさに魅了された。帰国後は、まだ稀少だった良質のゼラニウムを探し、奮発して12鉢も求めて窓辺いっぱいに飾った(その代わり、何年にもわたって株を大きく育てあげた)。2008年に再びスイスに赴任し、スイスの景色の中でこの色鮮やかな花たちと再会できた喜びは大きかった。歳をとった今、2階まで大きなプランターをいくつも上げ下ろしして世話をする気力はさすがになくなった。一人暮らしゆえ、運ぶ途中で怪我でもしたらタイヘン!という思いもある。
今日開催した料理教室に、スイス観光との関わりが深い友人Mさんが4人の友だちを誘って参加してくださった。彼女もまた真っ先に「ゼラニウムだ!スイスみたい」と喜んでくれた。さらに彼女は続けた。「スイスでは、各家で窓辺にゼラニウムを飾るのが義務付けられているのよ」。そうなんだ…、義務とまでは思っていなかった。観光立国スイスらしい。
ゼラニウムに触発されて、Mさんと私を中心にスイスの話題が尽きなかった。スイス愛こうじて話題が偏りすぎ、他の方たちには申し訳なかったかな〜?💦